血みどろ
数分後廻子は事務所を出る準備をしていた。
黒川はゆっくり席を立ち若菜に話す
「私は側道の方に先回りするわ。若菜は様子を見つつ連絡をする様に」
「わかりました」
黒川は足早に店を後にする。
その15分後廻子が出て来て、いの一番に喫茶店を出る九瑠璃。
陽川も酒を片手に早歩きを始める。
続いて若菜が黒川に連絡しつつ歩き始める。
廻子の歩く速度がいつもより少し早く陽川が速度を上げるので、九瑠璃、そして若菜もスピードを上げる。
これまでタクシーを拾った現場である側道に入って暫くした所で陽川が走り始めた。
九瑠璃、若菜そしてそれを向かい側から見ていた黒川も走る。
異様な足音に廻子は振り返る。
陽川が刃物を持って追いかけて来ていた。
ヒールを履いたまま廻子も走り始める。
陽川は速度を更に上げ、それをみて全員全力疾走を試みる。
四人全員がほぼ同じ秒間で廻子に追いつき血が流れた。
陽川は若菜に抑えられる形で静止
九瑠璃が悲鳴を上げる
血を傷跡を凝視している
出血していたのは黒川の左の二の腕だった。
廻子が九瑠璃に落ち着く様に諭しながら、スマホを取り出し救急車を呼ぼうとする廻子。
陽川にようやくガードレールを挟んで手錠をかけた若菜が応急処置をする。
九瑠璃は陽川を抑えた若菜から逃げそうになるが、廻子の事を思い出し半歩前に出る。
若菜は理解した様で片手を上げ、もう片方の手を使って警察手帳を見せる。
九瑠璃は力が抜け倒れ込む様にしゃがむ。
廻子は息を上げ呼吸を荒げたまま若菜達に問いかける。
「何で二人も私に付いてるのかしら?」
「答えないのは分かってますよね。才田さん」
静かに黒川は言い放つ。。
「私運動からっきしだからつかれたわ。そして恥ずかしい」
「大丈夫です。聴き取りには運動は必要ないので」
黒川は青い顔で返し、若菜の方を向いて続ける。
「私だけで救急車に乗るからあんたは署に連絡して迎えにきてもらいなさい。一人じゃ車で向かうのはダメだからね。」
「わかりました」




