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医療紛争

 薮はこの前医療紛争委員会に参加するため県庁所在地に出かけていった。

開始時間が18時50分なので病院を早く閉めないといなかったのだが、薮はそのことを全く従業員に伝えていなかった。数日前にカレンダーに県庁所在地で行われることが書かれていることにこちらが気が付かなかったら、患者さんは平日にも関わらず早めに閉まっている薮医院に困る人もいただろうと思う。まぁ、数日しかアナウンス出来なかったからやっぱり気が付かなかった人もいるだろうが。


 委員会では実際に起こった事例に関して話し合いがあったようだ。製薬会社の人への愚痴?を聞く限りだと、腎機能低下患者へ減量せずに薬を使ったケースだったようだ。親切心で副作用被害救済制度を申請してあげたら、患者さん自身が申請しなければいけないものだったらしく審査結果が患者さんに渡ったのだった。その為に薬による腎機能低下が原因と気がついた患者さんに病院が訴えられたということだった。

 そして薮がこの事から学んだことは、副作用救済制度の申請には協力するものじゃないということらしい。


 そもそも副作用被害救済制度は簡単に言うと、誰も悪くないのに入院するような思い副作用が出たときに患者さんを救済するための仕組みである。腎機能をチェックすることもなく適当な治療をした明らかに病院に落ち度がある場合に適用されるものではない。件の病院はそもそもその段階からわかってなかったんじゃないかと思う。薮もほとんど検査しないので病院側の肩を持ちたいのかもしれない。


 腎機能低下患者といえば以前書いた透析寸前で他の合併症も見つかっていた人がいると思うが、現時点では目を手術したものの片目は全く見えない状態らしい。そして問い合わせのあった歯の治療も中止されているようだった。私や他の人は申し訳ない気持ちになるというのに、薮自身はなんとも思っていないのには腹が立つ。

 私が薮医院に勤め始めて殆どの患者さんで血液検査が何年も全くおこなわれていない事実を問題にしなかったら、この患者さんは目が見えなくなるまでずっと薮医院で処方され飲み続けていたことだろう。そしてその頃にはどれだけ腎機能は悪化していただろう。そういったことは薮は考えないのだろうか?

 正直、入りたてで薮に言えなかった時期があるのを後悔するくらいに申し訳なく思っている。初期は血液検査の結果がどこにあるかもわからなかったくらいなので、薮医院がどんなところかわからなかったというのもあるんだが。


 ちなみに、この委員会の報告書を地域の他の医者に教える為、今回やった内容をまとめる作業があったらしい。医師会の事務長さんに電話で


「前任者はどうしてましたか?資料は返さなくちゃいけないでしょう?個人情報もたくさん書かれているし」


 などと聞いていた。日頃の薮を知っている人間からすれば、副音声で「下書き書いてくれないかな?丸写しするから」という声が聞こえてくるくらいしつこく聞いていた。残念ながら、ほとんどの医者はある程度の国語力はあるので普通に書いていた模様。

 

 流石、看護師さんの紹介会社の契約書に書いてある違約金について「小難しいことが書いてある」といってごねていただけはある。これもなんとか相手から断ったあとで相手がしばらくしてから勝手に応募してきたらいいよね?という返事を期待していたっぽい。もちろんんそんな薮が望むような返答は返ってこなかったみたいだが。

 ちなみに契約書には面接後は断ったあとで一年は紹介者を採用しないことと書かれてあった。あと破ると最大一年間の給料分の違約金を払うこととなることも。読めないのか理解したくないのかは想像におまかせする。私自身はどちらもあるのではないかと思っているが。


 今時はネットでいろんなことを調べれるので、今飲んでいる薬の添付文書は読んでみたらいいと思う。副作用に書かれていること全てに大騒ぎする必要はないけど、警告や禁忌が多い薬というものには注意したほうがいいかもしれない。ときには薮みたいに何も気にせず薬を大量に使う薮医者もいるのだから。

 医療訴訟は正直医療者側に有利にできている感じもするけど、知らないよりは知っておいたほうがいいのかもしれない。

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