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セカンドオピニオン

 左手が上がらず力が入らないという訴えを何ヶ月かにわたって薮に相談していた患者さんがいた。それにたいして薮は老化だから仕方がないと言っていたのである。


 医者でない私達から見ても明らかにおかしかったので、こんな小さな診療所では限界があるから一度大きな病院で検査してもらったら?と患者さんを説得して薮に紹介状を書いてもらったのである。


 まずは脳外科かと専門医がいるところをと近くの病院を調べ薮に伝えた。薮はブツブツと文句を言いながらだがなんとか紹介状を書いていた。


 診察予定日の数日後やってきた患者さんの話によると脳外科の結果は白で整形にかかるよう言われたとのこと。翌週に薮医院で糖尿病のいつもの薬をもらうのでその時に整形外科への紹介状を書いてほしいとのことだった。


 薮も愛想よく返事をしていたので翌週までに紹介状を書き上げると思いきや、来院予定日前日になってもまだ紹介状が受付に回ってきていない状態だった。

 たまらず薮に紹介状のことを伝えると、患者さんがどこにするか決めてそこを書くつもりだと怒り出した。


 普通の患者さんはどこの病院がいいかなんてわからない人のほうが多いと思う。今回の患者さんは高齢の女性でネットで調べれるようなタイプではなかったし、お願いするときの口調も病院にお任せしますという態度だった。


 脳外科への紹介状を書いた際に患者さんの都合の良い曜日はわかっているのでそれを元に近くの病院の整形外科の初診受付日を調べて紹介状を書くことはできたはずだし、先に大体の都合の良い日を聞いておくことも出来たはずだ。

 そうでなくても薬剤情報など必要な書類を準備しておくだけで患者さんの待ち時間は大分違ったはずである。


 患者さんが薬を受け取りに来た当日ついでとばかりに血液検査をしたのだが、薮が血液を採ったために出血が激しくあたりを汚す状態だった。

 その光景は次に血液検査のために待合室で待っていた患者さんが「血だらけだったぞ」とドン引きするレベルだったのである。

 おまけに何か失敗したらしく、血液検査を委託している会社からは血液が凝固していて検査できなかったというしらせが翌日入ってくることになるのであった。


 結局患者さんは痛い思いをしただけでなく、長い間紹介状を待つ羽目になって、しかも血液検査は失敗という散々な目にあったのであった。


 そんなこんなで紹介した病院から結果が返ってきたのだが、診察結果難病だったので専門医のいる更に大きな病院を紹介したということだった。


 薮のことだからいつの間にか薮が難病の患者さんを発見したことになって製薬会社の人に対する自慢話のネタにされるんだろうなと思うが、とにかく患者さんの病気の原因がわかってよかったと心から思う。


 小さな病院で原因がわからず長い間苦しんでいる場合は是非セカンドオピニオンを受けることも大切だと思う。特に薮みたいにろくに診察しない病院の場合は。

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