薮の真の実力
一人しかいない看護師さんが家庭の事情で午後来れなくなった。
新しい看護師を雇うこともなく午後は薮が一人で治療を行うことになった。結果は想像できるかもしれないが散々である。
点滴や注射をすれば何度も針を刺し直した挙句、内出血でひどい腕になったり流血でシーツや床を汚したりしていた。中には何度も挿し直した挙句ちゃんとできずに患者さんがギブアップして帰ったケースも何回かあったくらいだ。
ほかにも特定生物由来製品の注射を行った際には記録を付け忘れたりと全然ダメである。
いつも気軽に抗生物質の点滴やビタミン注射をしていたツケが回ってきているようだ。
ちなみに、現在薮医院ではビタミン注射は行っていない。しばらく前にビタミン注射を連続して4日も同じ患者に続けて行っていたせいかバッサリ点数をカットされたからである。
点数カットを恐れてビタミン注射をやめたものの、大量注文のせいで30本以上も余らせていた。
そこで薮がしようとしたのは、カルテにも残さないし保険請求もしないからサービスで患者さんに注射するということだった。その場合万が一何かあっても患者さんが救われないので皆で薮を止めることとなった。最終的には薮の奥さんなどに注射すればいいということで落ち着いたのでよかったが薮のいいこと思いついたには困らされることが多い。
電気治療やローラーなどの機械も薮が動かさなきゃいけないのだが、患者さんを診察室から誘導しておいて何十分も放置していたりしていた。こちらも患者さんが怒って声を上げなければ場所が離れているため全然気が付かなかったのだ。ほかの従業員は薮がそっちに向かったとばかり思っていたのだがどうも院長室に閉じこもってただけだった模様。
散々待たしたが治療を開始。複数の治療を行う患者さんだったので、一つ目が終了した時点で院長室に閉じこもっている薮を呼びに行こうとすると呼ぶ前に院長室の扉が開き薮が出てきた。
おおっ、さすがの薮も終わる時間を気にしてたかと思ったが、理学療法の部屋を素通りしようとする薮。
どうやらたまたま院長室の外に出てきただけだった模様。理学療法室の扉はあいてたので、私が薮に声をかける前に苛立った患者さんに声をかけられる始末だった。
午前中に来れる常連さんは、薮の注射の洗礼を受けて「午前中に来れるときに来るね」と言って帰って行く人が多かったのが印象的である。仕事の関係で午後しか来れない人はどうしようと悩んでなるべく来ないようにしている人と諦めて覚悟の上で注射されている人にわかれた。
実際、看護婦さんが午前中で帰るようになってからは午後はかなり暇になっている。6時前後に駆け込みで飛び込んでくる人と不幸にも薮医院の現状を知らなかった人がほとんどである。
いつも偉そうに看護師さんに注射の指導をしていたが薮の方が下手なんじゃないかという疑惑は今回のことでしっかり証明されてしまった。
個人的な感想だが、早く代わりの看護師さん見つけないと患者さんへるんじゃないかな?




