インフルエンザの治療
インフルエンザにかかったかもしれない患者さんにはまずインフルエンザの迅速検査を行う。
鼻の奥の粘膜を採取しそこに含まれるウイルスの有無を検査するのだが薮の腕前ではかなり痛い模様。
ちなみに、私が受けたほかの病院の先生の検査はほとんど痛くなかったので、これにも腕前が関わってくるようだ。鼻の粘膜が弱い患者(特に子供)は出血したりして苦手にしている人もいる。
迅速検査の注意点は、ウイルスがある程度増えていない場合に陰性と判定される可能性があることだ。だいたい目安は発熱してから12時間以降となっている。あくまでも目安なので、症状がひどい人なんかは朝に症状が出て昼に来ても出る人はいる。陰性になる可能性も踏まえてやるかどうかは考えたほうがいいだろう。
この検査でAやBのラインに線が出た人は陽性で、インフルエンザ治療薬が処方されることになる。
薮医院で採用しているのは、イナビルという1回だけ吸入する薬とラピアクタという点滴の二種類である。この薬の注意点は、発熱してから48時間以上経ってしまうとほとんど効果がないということだ。
治療薬と言われているが、作用としてはあくまでもウイルスの増殖を抑える薬なのである。通常48時間以上経ってしまうとウイルスの増殖がほぼ終了してしまっているため、薬の効果が期待できないのだ。
もちろんあくまでも目安なので、人によってはまだ増殖中という人もいるため絶対に48時間以内でなければいけないということではない。50時間たった人に使えないか?という質問は無意味である。
薮がヤブ医者たる状況はこのインフルエンザ治療においても遺憾なく発揮されている。
まずインフルエンザの検査だが、陰性になった患者さんの検査結果を何時間も保存しておき陽性にならないか見ているのである。朝検査した人の結果が夕方にうっすらと線が出たら、いつの間にか勝手に患者さんの家に電話して、インフルエンザの治療するために病院に来るようにしているらしい。
ちなみに、この検査キットを販売している会社の人に質問してみると、ウイルスの濃度によっては遅れてうっすらと陽性になる可能性はあるとのことだった。1時間後に出ることはあるが、その場合に呼び出すかは医者の判断に任せるとのことだった。そこまでならいいのだが、夕方になるまで放置しておいたものの場合はほかの要因によって陽性に見えている可能性が高いので陰性と判断するようにとのことだった。基本的には使用法にある8分で陽性になるかで判断したので十分とのことだった。
また、呼び出されてきた患者さんのカルテを見てびっくり。正月のあいだにインフルエンザに罹った患者さんで、インフルエンザの検査をした日で既に発熱から3日目、翌日に呼び出したのでその時点では4日も経っていたのである。当然どちらのインフルエンザ治療薬も使用できないのであった。
陰性の段階で普通の風邪薬が処方されていたので、大人の患者さんだったためそれ以上処方する薬もなく体調も悪いのに無駄足をさせてしまったのであった。
薮は薬についてどう覚えていたのかは知らないが、陽性=治療薬処方という考えだったらしい。薬の説明の時にインフルエンザの特効薬を出しますとか言っているところを見ると、ウイルスを殺す薬と勘違いしていたのかもしれない。吸入薬が使えなくても点滴の方なら使えるはずとかなり粘っていたが、当然使えるはずもない。
後日薮が製薬会社の人に点滴の方も48時間以内なのかを確認している姿があったが、まだ納得していなかったんだなと呆れてしまった。
インフルエンザなんて関心度の高い情報なんてインターネット上にも真偽はともかく大量に転がっている。インフルエンザの予防接種や検査、治療方法なんかも当然そこには含まれている。
テレビ番組や新聞、雑誌などを含めると12時間や48時間というキーワードも目にしたことがある人も多いんじゃないだろうか?
医者なんだから一般人よりは多い知識を持っていてもらいたいものだ。




