リクシアナという薬
薮が脳梗塞で倒れて以来ワーファリンを使っていることは話したと思う。そして、そのコントロールが全くうまくいっていないということも。
この前薮医院にやってきた患者さんで薮と同じく心房細動のある人がいた。
薮はその患者さんに「このままだと薬を飲まないと脳梗塞起こして死ぬよ」などどいって、今度出た新しい薬で、ワーファリンのように血液検査を何度もしなくていい薬があるからといってリクシアナという薬を出したいと伝えていた。
とはいえ、薮医院にはその薬はその段階では存在しない。そこで薮はリクシアナが病院に届くまで何もしないというのはもったいないとでもとでも思ったのか、その患者さんに血液検査をしその後ワーファリンを一週間分処方した。
そして5日後の土曜日に患者さんが血液検査の結果を聴きに来た際には、血液検査の結果INRの値が2をきっているので来週の月曜日から新しい薬に切り替えますねと言って患者さんを返した。
そのあと慌てて卸さんに電話をかけ、月曜までにリクシアナの60mgの見積りと現物を持ってくるようにと命令していた。
リクシアナの添付文書を見てみると、患者さんの体重が60kg以下ならリクシアナ30mgを使うと書いてある。患者さんの体重などは薮医院では計測していないので、患者さんの体型から推測される体重で投与量を決めたらしい。また、ワーファリンからリクシアナに切り替えるときには、ワーファリンの効果が消えて、INRの値が治療範囲以下になった状態で使用開始となると書いてあった。
つまり一週間だけでもワーファリンを処方した以上、月曜日からリクシアナを使い始めることは絶対に不可能ということなのだ。だって、薮医院では外部に血液検査を出している関係でその日のうちに血液検査の結果は帰ってこない。早くて翌日、患者さんの採血時間が遅いと翌日の回収になるので2日後に結果がかえってくるのだから。
薮は相変わらずなんにも考えていなかったらしく、そのことを指摘すると怒り狂っていた。
結局月曜日にその患者さんから電話があって、仕事の都合上その日に薬を取りに来れないということだった。薮に電話を変わると、ワーファリンの効果がきれるまで使えないから、ゆっくり血液検査に来ればいいと患者さんに伝えていた。……以前は早くしないと死ぬとばかりに患者さんを脅していたことは都合よく忘れているらしい。そしてついでに、患者さんに体重を聞き69kgだと聞き出していた。
電話を切ったあとやっぱり60mgでよかったじゃないかといっていたが、それは結果論であり薮の新しい薬を採用するにあたっての心構えが出来ていなかったことには変わりないということには気がついてはいないようだ。
正直に言って、自分のワーファリンのコントロールがうまくいっていないために、新しい患者さんにリクシアナを試して自分が使うための実験台にしているようにしか見えない。
もうすこし使い方を勉強してから使うことにして欲しいものだ。
新しい薬に関しては、研修単位ももらえる食事会付き勉強会と名のついた薬の宣伝が盛んに行われているため、薮もタクシーチケットを使っていろいろと参加しているのだから。
まぁ、午後休診の日でもわざと遅刻するような時間帯にしか出発しない薮が、まともに勉強会の内容など聞いているはずがないのだが。
本当に、遅刻しまくっている場合は研修認定の単位を出さないという方針にでもして欲しいと思ってしまう。
ほかにも、患者さんで足がむくむという人に気軽にフロセミドを出すのはやめて欲しいと思っている。
なぜなら、薮が脳梗塞で倒れる前日には足に浮腫が起きたためにループ利尿薬であるフロセミドを飲み浮腫を改善した結果、血栓が脳に飛んで脳梗塞が起こったということがあったと以前から居る従業員の話を聞いたからだ。医者である薮本人が気軽に利尿薬を使った結果、脳梗塞という重大な結果が発生しているのだから。
よく効くというのが薮の免罪符のようなのだが、自分がかつて失敗したのだったら同じようなことが怒らないかということくらいは心配してもいいはずである。
テレビのニュースで、産婦人科の病院で立て続けに妊婦が死んだりしたといったことが起こった病院があったが、ガイドラインからは大きく逸脱していなかったため医療事故ではないという意見を医師会が出したというものがあったが田舎ではそこ以外に行くところがないところも多い。
薮なんかはガイドラインという物自体を知らない状態なので、何か事件が起こったらどうなるんだろうとつい考えてしまう。




