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パソコンに関しては詳しいらしい

 薮の数少ない自慢話の中の一つに、かつて本を執筆して出版したことがあるというものがある。ペンネームで書いたから調べても見つからないのだが、パソコンに関して執筆したというのだ。だから、自分はパソコンに関して詳しいということだ。さも自分がえらい人物だと見せかけたいのだろうが、薮の確定申告を長年やってきた奥さんの話によると印税が入ってきた形跡は一切ないとのこと。

自分で手続きなんかをやっていればバレなかっただろうが、偉そうにしたいという希望のみが強くてもそれを実現するだけの能力がなければメッキがハゲるのも早い。実際のところは本の中のごくごく一部を書いたかもしれないレベルなのだろう。


 薮のパソコンレベルは自慢する割にはたいしたことないと思う。下手すると小学生にだって負けそうなレベルだ。最近はなんでもインターネット上から書類をダウンロードする時代だというのに、患者さんを紹介するために紹介先の病院のホームページからダウンロードして欲しいとお願いしても全くやってくれない。

薮医院には従業員が使えるパソコンなどレセプト請求するものしかないのでほかの人間が代わりにやることもできない。せかしてやってもらうと、ホームページを開いたもののどこにあるかわからず「そんなものはない!」と怒り出す始末。


 ちなみに薮医院が紹介するような病院だと、大抵“地域連携室”という項目を探せば見つかることが多いみたいだ。印刷はできなくてもスマホでも簡単に調べれるというのに、パソコンに詳しく頭が良いと自負している薮は何をやっているのか。


 ほかにも、レセプト請求のためのコンピュータが頻繁にエラーを起こすようになって何日かたった時も薮は何も行動したりはしなかった。前回はある日動かなくなるまで放置した結果、病院が回らなくなってパソコンが届くまで休診にせざるを得なかったこともあったという。……馬鹿じゃないのか?


 流石に今回はそんな状態まで放置はまずいだろうということで、薮にも許可を取って修理してもらうことになった。新しい部品が届くまでの数日間はなんとか再起動したりしつつ無事過ごすことができた。

結局パソコンは本体は無事らしいので残して、画面を表示している液晶の方を交換して故障箇所を修理する模様。みんなホッとしたあとで問題は起こった。


 「今回の修理費用は10万になります」

この言葉を聞いた薮は激怒し修理に来てくれた人にどうしてそんなにかかるんだと怒鳴り始めた。

どうやら薮はメンテのための費用をケチっていたらしく、そのまま請求されているようだ。……本当に馬鹿じゃないのか。

契約をしたのは薮なんだから、その内容くらいちゃんと覚えておいて欲しい。修理に来てくれた人の口ぶりだとちゃんとそのための契約もあったみたいだし。


 ほかにも心電図に内蔵されているデータた時計の保持のための電池が寿命を迎え交換のサインが出た時も、それを報告しても薮は放置。電源自体は入るため気にせず心電図を使い続けていた。


 ある日、保険の審査で心電図を別の日に単独でとる人が来た。電池はないものの心電図自体は無事取れたのでその結果を保険会社に提出した。

後日その保険会社から電話があり、心電図をとった日を教えて欲しいとのこと。心電図のデータには本来撮影日が記録されているのだが、電池切れで出荷初期の時計に戻っていたようだ。つまり大変昔にとったデータになっているのだと思われる(実際に見ているわけではないので詳細は不明)

薮自身が日付をちゃんと別に記録していればいいのだが、そんなことをしているわけもない。そもそも、その電話で発覚したのが、本来記録されているべき場所にその人のデータが残っていないということだった。薮が探し回った結果別の冊子に書かれていたものを書き写していたのは目撃したので多分そうじゃないかと思う。そうなって初めて心電図を購入した会社に連絡を取ったのである……。


 パソコンが使えると自慢したいのなら、もっと使えるというところを見せて欲しい。

偉そうにしてても、肝心の時に全く役に立たないのでは話にならないのである。

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