専門医に紹介したある患者さんのその後
以前痛みを訴えていた患者さんで、他の病院へ紹介した人の途中経過の報告が薮医院にかえってきた。
この人は以前から風邪などで時々来ていた患者さんで、ある日気分が悪いということで病院にきた際に血圧を図ったところ血圧が180もあったという人である。
自覚症状はなかったとのことで念のために血液検査を行うと血糖値が300以上という数値を出したため、血圧と糖尿病の治療を7月から開始した。
本人が自分が病気であると自覚したせいか、8月になると体が痛いと訴えるようになってきた。8月の血液検査でもまだ血糖値が300を超えており状態は悪い。
背中を突き抜けるような痛みがする。一番痛いのは胸とのことだったので、早速心電図検査を行うも全く異常は無し。
糖尿病性疼痛の可能性が高いということでエパルレスタットの使用を開始したが、一週間もしないうちに痛みが我慢できないということで再来院。リリカの処方が追加された。その後段階的に増量し、一日300mgまで増量するも薬が切れる頃には強い痛みが発生し辛いということだった。
薮は11月初めに痛みを訴える患者さんに対してサインバルタという薬に変更して痛みの症状に対処しようとした。しかし、この薬はもともとはうつ病に使う薬。適当な薮に使いこなせるとは思えない薬である。
そもそも糖尿病性疼痛だとすると、血糖値コントロールの方が重要だということは医者でない私にも分かることである。薮はこれ以上糖尿病の薬を考えるつもりはなく、当分血液検査をしない様子。
仕方がないので奥さんに相談して近くの糖尿病の専門医が複数いる病院へと紹介した。
その病院はペインクリニックもあったので、薮の奥さんが病院へ電話をして担当者にこの患者さんのケースだと糖尿病内科に紹介するべきかペインクリニックの方に紹介するべきかを相談。患者さんの血液検査のデータを伝えると糖尿病専門医がすぐに私が診るので都合の良い時間をお知らせくださいとのことだった。
勝手に紹介先を探した我々に薮は烈火のごとく怒りながらも申し込みを済ませた。
その際に作成した紹介状の写を確認すると、リリカの処方量を間違って記載していることが判明。
その他にも、リリカからサインバルタに処方変更したいのでどうか?と専門医に聞いているだけという自己弁護にあふれた相手の先生にとって何の役にも立ちそうにないモノだった。
仕方がないので奥さんが、患者さんから聞き取りを行った内容と薮医院ではどのような経緯があったのかとどのような処方を行ってきたのかを別紙にまとめたものを一緒にFAXで送ることにした。
今回かえってきた途中経過ではやはりこの患者さんは糖尿病の治療が最重要らしく、インスリンの併用を行い血糖値の安定を図っているとのこと。また、他の領域の医者とも連携して合併症など痛みの原因を評価するとのことだった。
薮はこの患者さんに関して自分の治療に疑問を持つことがないようだ。専門医でもまだ確定していないこの患者さんの痛みの原因は糖尿病のせいだとなぜか今の段階で確信している模様。
一番の疑問は、糖尿病が原因だと確信しているのならなぜ血糖コントロールに力を入れないのかということだ。痛みの原因を取らない限り患者さんは苦しみ続けることになるのにである。
低レベルな薮ではコントロールできないというのだったら、とっとと専門医に紹介すべきだろう。
ひたすら痛み止めを出すほうが薮にとって楽なのかなんなのかはわからないが、ろくな人間性ではないと強く思うのだった。
田舎の十分でない医療圏保持のために医者の頭数を揃えるためとはいえ、薮みたいなのがもうすこし頑張らざるを得ないようなチェック体制は厚生労働省のお役人さんにちゃんと確保してほしいなと思う今日このごろである。




