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労災の書類

 先日、薮医院に一本の電話があった。

6月に別の病院で労災を申請した患者さんが、それよりも前にこの病院で診察を受けたことがあったらしく、そのことに関して書類を送るから必要事項を記載して送って欲しいとのこと。


 事務員さんがカルテを確認すると確かに該当する患者さんはいた。

しかし、薮のカルテには必要な情報など何一つ書いていなかったため、この患者さんに関してカルテからわかる情報は、5月に副腎皮質ホルモン剤の軟膏を処方し、その一ヶ月後に抗真菌薬の軟膏が処方されているということ。そして、病名が両手湿疹の後に両手真菌症となっているということだけであった。

果たしてこれで薮はどのような書類をかけるというのだろうか?と思わず心配してしまうくらい何も書いていないのである。


 案の定、電話内容を聞いた薮はカルテを見て

「両手の水虫だから労災なんて関係ないだろう」

と言って、あっという間に院長室へと映画を見に戻っていった。


 薮の奥さんはその書類内容で労災がおりるか変わってくるかもしれないと大変心配していた。そして従業員に何か知ってることはないかと聞いていた。

事務員さんがこの患者さんの勤務先が牧場だといったことをきっかけに、牧場では牛の世話をしていること、その牛の毛が禿げているということ、他の従業員にも似たような症状が発生しているということを言っていたという証言が集まったのである。

薮の奥さんが薮のためというより患者さんのためにその結果をまとめて書いているのが印象的だった。


 翌日届いた書類を見てみると、書くべき項目がいろいろあることがわかった。これは薮にかけるところなんてほとんどないんじゃないかな?

しかも、心配していたように労災給付の決定に関係してくるようなことを書いている。


 5月に来た両手湿疹も今回の一連の流れに関係しているということがわかるように薮にかけるのだろうか?そして、他院での意見書とものすごい落差があるんじゃないかと心配している。

なんせこちらは両手のどこにどのくらいの大きさでどのような形、症状だったかの情報が一切書いていないのだから。


 なんにせよ薮みたいな病院に最初にかかったために患者さんの不利にならないことを真剣に願っている。


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