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♂転性してもエアラインパイロット♀  作者: 月隠優
第一章 パイロット復帰
11/29

9話 フランクフルト3

フランクフルト国際空港。FRA。

ドイツ南西部に位置するハブ空港で、一日千何百もの旅客機が離着陸し、年間の空港利用者数は5千万人を上回る。

(コロナ前)。


様々な航空会社が利用しているが、一際目に入るのはルフトハンザ。

青い背景にオレンジの鳥が描かれたとても印象深いエンブレムを垂直尾翼に付けたA380が奏が乗ってきたB787の隣に停まっている。


でかい。


全2階建。全高は24メートル、全幅は80メートル近くもあり、タイヤは22個。エンジンも四つ付いていて、外部点検が大変そうだ。

(日本でもANAが所有)


必要な操作を終えると地上スタッフさんに残りを任せCAさんと共に機体を後にする。


奏たちの荷物は大きく分けて二つ。フライトに必要なものが入った会社指定のフライトバッグと、宿泊が必要な時だだけ持参するステイバッグだ。


空港のホテルにチェックインすると、みんな部屋で過ごしたり、出かけたりなど自由に過ごす。

(現在原則自室もしくはホテル内待機)


ドイツの夏は暑い。暑いは暑いが、乾燥しているので蒸し暑くはない。だいぶ過ごしやすい夏だ。


折り返し便は明日の夜出発なので、しばらく遊んでいられそうだ。

拓也とタクシーに乗って都市部に遊びに行くことにした。


「マインタワー、いつぶりだっけ?」

「4年前に一緒になった時行ったきりか。もう来ないと思ってたけど」


拓也が空を仰ぐ。


マインタワー。

正直これと言って説明する事もないが、一般でも登れる展望台といえばいいだろうか。フランクフルトの街が一望できる。

最大の特徴は屋上であることで、屋上には中心に立つ大きな柱の周りのベンチ、数個の望遠鏡、拓也のお腹くらいの高さの透明な柵があるだけ。

冬に来るのは寒く、雨の日などもってのほかであるこの展望台は、なんやかんや言って人気がある。


一階で一人7.5€(確か)を払い、手荷物検査を受け(結構ガチ)エレベーターに乗って屋上へ向かう。


外に出るとまあまあ風が吹いていて、奏の髪の毛が舞う。

舞うのにはまだ慣れない。


「おお、懐かしいな、ってお前、髪の毛やば」

「ヘアゴム持って来ればよかった」


片手で後ろ髪を押さえながら透明な柵の前まで足を運ぶ。

こんなに柵高かったか?

いや、俺が縮んだだけだ。


屋上からはフランクフルト中央駅、オフィスビルやヨーロッパらしい街並みを見ることができる。雲が低く感じるのはなぜだろうか?


スーパーに行くだけでここは日本でないことを感じる。

広いパンコーナー。無造作に置かれた生鮮野菜の山。じゃがいもが20種類も売っている。

現地の人は各自でスキャナーを持ち歩き、商品のバーコードをスキャンしてカートに入れていく。


スーパーの雰囲気を楽しんでジュースを買うためレジに並ぶ。前の人は120€(約15000円)分の商品をカートに乗せている。スキャナーを使っているためレジではお金を払うだけなので時間はかからない。


地下鉄でお気に入りのレストランまで向かう。

アバウトな感覚だが、ドイツは量、フランスは質、ベルギーはその中間と言ったところか。


レストランで夕食を食べた後はホテルに帰って寝る準備をする。

ドイツの水道はカルキを多く含む。飲めなくはないが、飲みにくいし美味しくはない。

ヨーロッパ人が毎日お風呂に入らないのにも頷ける。髪がカピカピだ。髪が長く柔らかかくなったことでさらに顕著に感じた。

お風呂を上がるとタブレットで天気予報が大きく変化していないか確認する。明日のルートの事前確認をしたら、布団で寝転びながらYoutubeで猫の動画を見てニヤニヤしてから寝る。


ーーーーーーーーーーーーー


朝起きると髪がボサボサだ。水もあれだが、日本のドライヤーは質がいいらしい。(ホテルの備え付けが悪いだけであって普通に良いやつもある)


時差ボケで起きたのは朝3時。日本時間の朝10時だ。

ここはひとまず起きておいて昼にもう一度寝てフライトに備える。

朝は少々肌寒い。事務仕事を済ませているうちに朝食の時間になる。

バイキングだが、そんなに沢山の量は食べられない。

他の航空会社のパイロットやCAさん達も朝食を楽しんでいる。中にはフライトの時間が迫っているのか急いで料理を掻き込む人もいる。


「ここいいか?」

「いいよ。拓也寝れた?」

「爆睡」

「強いな。この体乗り物酔いはしないけど時差には敏感らしい」

「じゃあ大丈夫そうだな」

「後心配なのは体力かな」

「冬や来年の夏本番は激務だからね」

「お盆終わり頑張ってね。私まだ訓練だから」

「ういー」

ドイツいいですよね。

ヨーロッパってなんやかんや言ってどの季節に行っても過ごしやすいのでいつでも楽しめます。

夏冬の日照時間の差は苦手な人にはきついかもですが、コロナ収まったら是非足を運んで欲しいです。


ドイツだったら個人的にはローテンブルクが大好きです。外壁に囲われた木骨造りのヨーロッパらしい街並みがめっちゃ綺麗です。

冬に行ったらクリスマスマーケットには行って欲しいです。買うのは割高なので少々気が引けますが、雰囲気はとてもいいですし、ホットワインめちゃ美味しいです。

(次の日アルコール残ってたら大変なことになるので少なめを頼んでビクビクしながら飲むことになるんですけど笑)

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