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♂転性してもエアラインパイロット♀  作者: 月隠優
第一章 パイロット復帰
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8話 フランクフルト2

「ねえねえ咲、外明るいね」


映画を見終わった千尋が咲に話しかける。


「今日はずっと明るいよ」

「そうなの?」


窓から下を見ると広がっているのはユーラシア大陸。

どこかはわからないけど。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「この先さらに風強そうだから速度上げるね」

「揺れはしませんよね」

「多分大丈夫だと思うけど兆候があったらすぐにベルトサインして」

「わかりました」


「お飲み物いかがですか?」


キャビンアテンダントは奏が座っているのを見て少し驚く。


「大丈夫ですよ。この人俺より全然ベテランなんで」

「ラーメン下さい」

「太りますよ」

「冗談です。コンソメスープ下さい」

「今準備しますね」


「有馬さん日焼け止め塗りました?」

佐内が奏の太陽にさらされた腕を見て尋ねる。


「何でですか?」

「それは塗ってないってことですね。だめですよ塗らないとただでさえ日中のフライトは肌に悪いですから、」


佐内はフライトバックに目を向ける。


「すみません。僕のカバンの中に日焼け止め入ってるんで取ってもらってもいいですか?多分1番上に...」

「コンソメスープです。こっちの黒い方ですか?」

「いや、白い方」


奏のバックが黒なので、想像と逆だったらしい。


「これ本当に効果あるんですか?」

「あるに決まってるじゃないですか。まさかそんなこと疑って使ってなかったんですか?それにしては肌白いような...」

「いや、どちらかと言うとめんどくさかったからかな」

「...。塗ってください」

「そうですよ塗らないと」


CAさんにまで指摘される。


「は、はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ドイツに近づいてきたところで降下を開始する。

操縦席には拓也と左内。後ろには田村と奏が座っている。


「混んでますね」


無線を聞いた左内がボソリとつぶやく。


「想定の範囲内だ」


「あ、また一機ゴーアラウンドした」


奏が別の無線を聴いてつぶやく。


「そ、想定の範囲内だ」


管制から待機命令が出た。拓也は待機する場所を確認して旋回を開始させる。

同時に燃料の残量と睨めっこしている。

まだ2時間半は飛んでいられるが、さらに長時間待機命令が出るとゴーアラや代わりの空港に向かう燃料と相談しなければならない残量だ。


「頼むアプローチ許可出してくれ、出してくれたら無理しない範囲で一発で下ろすから」


「あ、拓也、またダメだった。風があるのと視界があんまり良くないらしい」


奏は拓也にさらにプレッシャーを与える。


「まあオートランドで...」

「横風制限値超えてます」


佐内が新たに来た気象データを確認して答える。


「...わかってる」



30分ほどすると管制からアプローチ許可が出た。


「よし、降りるぞ、アプローチボタンプッシュ。あと田村、アプローチ許可出たって後ろに伝えて」

「わかりました」

「奏は無線聞いてて」

「はーい」

「佐内は機内アナウンス。かなり揺れるぞって」

「承知しました」


みんな一斉に作業に移り機内は慌ただしくなる。


『本日はNHA航空をご利用くださり誠にありがとうございます。操縦士の佐内です。えー、ただいま着陸に向けて本格的に降下を開始しました。この先厚い雲を抜けるなど、大変気流の悪いところを通過します。大きな揺れが予想されますが、安全な飛行に影響はございません。どうかご安心ください。着陸までは20分を予定し...!!、』


急に機体が揺れ始めた。


『予定しています。しばらくお待ちください』


「なんですか?」


田村が身を乗り出す。


「多分前飛んでる飛行機の乱気流。えーっと、拓也。リクエスターンleft方位(ヘディング)230とか?」

「奏さん。220で十分じゃないですか?」


佐内が方位を変えるダイヤルに手を伸ばしながら奏に確認する。


「ついでにあの雲も避けたい」

「レーダーじゃ異常ありませんよ」

「少しでも揺らしたくないのと、あの雲ぱっと見やばそう」

「俺も奏に賛成だ。佐内230許可もらって」

「わかりました」


佐内はダイヤルを230にセットして管制に旋回許可をもらう。旋回許可が出るとボタンを押してダイヤルにセットした方位に機首が自動に向く。


速度を徐々に下げフラップを展開する。着陸装置(タイヤ)を展開し最終進入航路に乗ると、管制から着陸許可をもらう。


雨が強くなってきたので拓也はワイパーをつける。


「見えた!エアポートインサイト」

「チェック、頑張ってください」

「ああ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「咲、暗くなったよ?」

「それはあれ、雲の中だからだよ。だいぶ厚そうだね」


『本日はNHA航空をご利用くださり誠にありがとうございます。操縦士の佐内です。えー、...』


「わざわざアナウンス入れるほど天気悪いみたいだね」

「普段はないの?」

「さあ?お父さんたちの気分だとおも...!!」



「咲今のすごかったね」

「私もあんなに強烈なの初めてかも、これから雲突っ込むしもっと揺れるかも」

「こわ」

「大丈夫大丈夫。なんやかんや言ってこの飛行機アクロバットしても壊れないから」

「本当?」

「.....。」

「...。」


機体はしばらく揺れ続ける。雲の下に出るとヨーロッパの街並みが見えてきた。

天気悪いけど。


機体は激しく接地。急激な前Gと共に減速する。


『皆さま。当機はフランクフルト国際空港に着陸いたしました。......』



機体がスポットに入り停止するとシートベルトサインを消すまで立つなとアナウンスしたにもかかわらず、周りの人が席を立って頭上から荷物を下ろし出す。


千尋はシートベルトサインが消えるのを待ち、消えると同時に席を立ってお尻を摩る。


「結構な衝撃だったね。咲ちゃん大丈夫」

「まあ雨だしね。わざとだから大丈夫だよ」

「わざとなの?」

「まあシンプルに風が強くて強く接地することもあるけど、雨の日は水溜りで滑らないように強く接地させるんだって」

「へー」


少し語弊がある言い方だが、まあ構わないだろうと思い荷物を取り出す。


さて外はまあまあな雨。

勢いできたもののこれからどうしようか。

意味わからないことだらけでしたらすみません。

質問くださればわかる範囲でお答えします。

できるだけわかりやすく書くように努力しますので今後ともよろしくお願いします。

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