第78話 静羽の告白
次に部室に入ってきたのは静羽だった。
静羽は入ってくるなり、涙ぐんでいた。
「どうした静羽?」
「ごめんね。私、しっかりしなきゃね」
静羽が気持ちを引き締めた。
「私ね、最初隼人さんのことスケベな人だと思っていたの。でも段々と優しさと、気遣いができるところが素敵だなって」
静羽が照れながら話している。
「そのう……顔というか、見た目も素敵だなって」
静羽の顔が赤くなる。
「でもね、私、自信がないの。美明さんと遊理香さんてかわいくて美人の人がまわりにいるから」
そういうと開いていた手をぎゅっと握り話す。
「でも隼人さんのこと大好き。こんなにも好きになった人は初めて。私ね……私ね……」
また涙ぐむ静羽。
「だから我慢出来なかったの。隼人さんと一緒に休日を過ごしたい。2人きりでどこかへ行ってみたい。私が作るお弁当を食べてもらいたい」
そう言うと、ちょっと顔をしかめる。
「ちょっと私、重いかな。でも今伝えないと後悔するから。隼人さん好きです。いえ大好きです」
こういうと静羽は笑顔になった。
この笑顔が僕には眩しい。
こんないい子を傷つけていいわけがない。
僕は自分を恨んだ。
叶うならば僕は、この手を取ってしまいたい。
僕の表情を読んだのだろうか。
「隼人さんは考えすぎです。もっと気楽に自分に素直でいればいいんですよ」
静羽が立ち上がり部屋から出ていこうとする。
後ろ姿からは見えないが、泣いているのはわかった。
ドアが静かに閉まる音だけが残った。
次回最終回です




