第77話 遊理香の告白
バレンタイン当日が来た。
テスト休みが終わり、学校が始まったが、僕は部室に行っていなかった。
長崎から帰ってからずっと3人のことを考えていた。
僕の今の気持ちと本気で向かい合った。
久しぶりに部室に行くと、3人がいて笑顔で迎えてくれる。
僕はとても嬉しかったけど、この後関係が変わるのが心苦しい。
「じゃあ」と言って、3人は外に出る。
「隼人は部室にいてね」と遊理香が言う。
1人ずつ入ってくるのだろう。
僕は覚悟を決めた。
まず入ってきたのは遊理香だった。
「隼人体調は良くなった?」
遊理香は見た目はクールっぽいが、こういう気配りが出来る素敵な女性だ。
「うん。体はなんともないから」
「そっかあ。私ね、今まで人を好きになったことがなかったの。でも初めて隼人を見た時ピンときたの。この人王子様かもってね」
僕のことを王子様なんてちょっとこそばゆい。
「でも、ちょっとエロいし、少し変態っぽくて」
僕は思わず苦笑い。
「時間が経っていくと、この人は誰に対しても気を遣うんだな。誰に対しても優しいんだなって思えてきたの」
僕は黙って遊理香の目を見る。
「やっぱり初めて会った時に思ったことは、間違いじゃなかった。隼人のこと、もっと知りたい」
遊理香も僕の目を逸らさずに見返す。
「これが私の初恋。隼人好きだよ」
僕は胸が締め付けられるくらい嬉しかった。
遊理香はとても魅力的な女性だ。
「ありがとう」と僕は言った。
遊理香は目を逸らさない。
僕は、以前静羽に話したのと同じことを伝えた。
アネモネのことだ。
しかし部活が始まると少しずつ変わっていったことを話した。
そして今は、今現在の3人を見ていると。
「そっかあ」と遊理香が言った。
そして「あ~すっきりした。私隼人にずっと好きって言いたかったから。隼人。私は誰を選んでも恨まないよ。もちろん私を選んで欲しいけどね」
そういって遊理香が部室から出ていった。
遊理香、ごめん。
でも、それ以上に選んでしまった人がいる。
僕は心の中で謝った。




