第67話 降水確率30%
年が明け、冬休みも終わり、3学期が始まった。
放課後部室に行こうとしたが、ちょっとした用事が入ってしまい、部室に着くのが遅れた。
部室に入ると3人が意見を言い合っている。
時には口調が強くなることもあった。
何事かと思い、話を聞くと
「明日って降水確率30%なんですよ。午前の終わりから雲がかかるかもって予報なんですよ」と静羽が言う
「それで?」と僕が先を促す。
「傘をですね、持ってくるかどうかを話していたんです」
僕はなんでそんなことに熱く話していたんだろうと思った。
「30%なら傘持ってこないでしょ」と美明
「同じく、10回中7回は降らないんだよ」と遊理香
「でも3回は降るんですよ」と静羽
「じゃあ静羽は傘を持ってくればいい。無駄になると思うけどね」と遊理香
「隼人さんはどうします?」と静羽が聞く。
「どうしようかな」と僕は迷った
「ちなみに降水確率は1mm以上雨が降る確率です。小雨の可能性もあれば、大雨になる可能性もあります。可能性があるなら持ってくるべきです」と静羽
「でも降らない可能性の方が高いんでしょ」と美明
「更に言うと降水確率は10%単位で四捨五入されます。例えば96%なら降水確率100%と表示されますが、降らない場合もあります。逆に0%でも実際は4%とかで、降る場合があります」
「静羽は詳しいな。う~んつまり、実際は26%~34%くらいで、しかも小雨かもしれないし大雨かもしれないのか」と僕が言う
「だから私は傘を持ってきます」と力強く言う静羽
「私は持ってこない」と遊理香
「私も持ってこないかな」と美明
「僕は傘を持ってくるよ」と僕が言う。
「当然です。傘を持ってこない2人が泣きをみるでしょう」と静羽が言う。
翌日、雨は降らず、日差しが強く照りつけていた。
「やっぱ降らないじゃん。傘持ってこなくて良かった」と遊理香
「だね。持ってこなくて正解だった」と美明
僕は手持ちの傘を見つめ、がっくりしている。
そこへ傘を差しながら静羽がやってきた。
「静羽、傘なんて差してどうしたの?。雨なんか降っていないぞ」と遊理香がからかうように言う。
「これ晴雨兼用ですので」と静羽。
僕は裏切られた気分になった。




