第65話 クリスマス
今日は僕の家でクリスマス会だ。
事前に美明から言われていたので、食べ物やゲームなどを用意した。
念入りに部屋の掃除や片付けも済ませた。
その他、見られると困るものは隠し、準備万端だ。
玄関のチャイムが鳴った。
3人一緒に来ると思っていたら美明だけだった。
「あれ?3人で来るんじゃないの?」
「ううん。別々だよ」と美明が言う。
「そうなんだ。まあ上がって」と言って美明を部屋に案内する。
「早いね」と僕が聞くと、
「ちょっと時間間違えちゃった」と美明が笑って言う。
美明は僕のパソコンをじっと見ている。
「ダメだよ。これだけは絶対に」
「どうせエロいのばかりなんでしょ」
「違うよ。ただこれだけは他の人に触れられたくないだけ」
「そうなんだ。じゃあ他のはいいの?」
「ダメだって。大人しくしていなさい」
「は~い」
すると玄関のチャイムが鳴る。
ドアを開けると静羽だった。
「こんにちは。こんばんはかな」
「どうぞ上がって」と僕が言う。
静羽は女性用の靴があるのを見て、「もう誰か来ているんですか?」と聞く。
「うん。美明が来てる」
静羽は、少し早めに来たのに一番じゃないなんて、と思った。
静羽が来たので、飲み物や食べ物の準備を始める。
準備が終わったころに遊理香がやってきた。
遊理香を部屋に連れていき、クリスマス会が始まった。
「それでどうするのさ?」と美明に聞くと
「食べて飲んで遊ぶ」
「それって普段とあまり変わらないような」と僕が言うと
「あっ。隼人君、着替えるから外に出てて」と美明が言う。
そういえばサンタコスをするとか言ってたな。
僕は部屋の外に出てしばらく待った。
「入っていいよ」の美明の声に中に入ると3人のサンタが立っていた。
一瞬、言葉が出なかった。
思わず3人を見入ってしまった。
視線が外せない。
そして美明と遊理香のスカートの短さにも目がいった。
遊理香はわかるが、美明のミニは珍しい。
静羽は膝下まであるスカートだった。
僕の視線に気づいた美明と遊理香は「どこ見てんのかな」と2人が言う。
2人とも楽しそうだった。
静羽は自分もミニにすればよかったと後悔した。
まずは家庭用ゲーム機で遊ぶことに。
代わる代わる、時には4人同時で遊んだ。
ゲームが一段落つくと、僕は食べ物などを取りに台所へ。
とりあえずピザとチキンと飲み物を持って行く。
そして、静羽用に買っておいたチーズ盛り合わせも急いで持ってきた。
これには静羽が喜んだ。
「隼人さんありがとう」と静羽
「どういたしまして。静羽が喜んでくれればなによりです」
すると遊理香がサンタコスのケープを取った。
露わになった肩と鎖骨に、一瞬目を奪われた。
いや、ちょっと待て。
これは見ていいやつか?
僕は遊理香を凝視してしまう。
気づけば、視線が戻らない。
はっと気づくと、美明と静羽の冷たい視線が。
「ケーキ食べる?」と僕が言うと
「まだいいよ」と美明が冷めた声で言う。
「じゃあ他のゲームやろう」と僕が言い、いくつか持ってくる。
3人でなにがいいか選んでいる。
僕は助かったと思った。
ジェンガ・トランプ・UNOにボードゲームをいくつか。
これらで遊んだんだけど、ツイスターゲームを用意しなかった自分を呪った。
その後はケーキを食べてプレゼント交換へ。
ちなみに予算は2000円以内だ。
4人がプレゼントを選び、一応自分のじゃないと確認すると、順番に開けていく。
まずは遊理香が開けた。
中身は入浴剤セット。
僕からのプレゼントだ。
「これは隼人が私と一緒に入りたいってことでいいのかな」
思わず「はい」と言いそうになったのを我慢した。
次に開けたのは静羽。
中身はアロマキャンドル。
送り主はなんと美明だ。
静羽は喜んだ。
僕は「美明がこんなおしゃれなの贈れるんだ」と言うと
「なにおー。私だって女子力高いんだからね」と言う
女子力高い人が「なにおー」なんて言わないと思うけどと言うのを我慢した。
次に開けたのは美明。
中身は紅茶セット。
送り主は静羽だ。
みんな「静羽がチーズじゃない」と言った
「私だってその辺はわきまえています」と静羽が言う
最後に僕が開けた。
中身はネコのぬいぐるみだった。
送り主は……「ほんとごめんなさい。隼人に当たるとは思ってなかったので」と遊理香
これには僕も苦笑い。
ぬいぐるみかあ。
いや、どうしろと?
これ、部屋に置くのか?
プレゼント交換は大いに盛り上がった。
僕は食べ終わったお皿などを片付けに台所に。
すると静羽が来た。
「私も手伝います」
そう言って洗い物をしてくれる。
「今日は楽しかったですね。来年は2人でしたいな」
一瞬、時間が止まった気がした。
僕はなんて答えていいか迷った。
軽く流すのも違う気がする。
でも、ちゃんと答える勇気もない。
今ここで答えたら、なにかが決まってしまう気がした。
苦し紛れに、「来年って部活どうなっているんだろうね」と僕が言った。
「続いているんじゃないですか。活動実績も出来てきたし、他クラブとも交流出来てますし」
「そうだね。そうだといいな」
そして「戻ろうか」と言って部屋に戻ることに。
静羽ごめん。
僕はまだ自分の気持ちがわからないんだ。
静羽も今の、答えてくれなかったよねと思った。
少しだけ期待していた分、胸の奥がじんと痛む。
でも、諦めるつもりはなかった。
来年は隼人さんと2人で過ごしたいなと改めて思った。
部屋に戻ると、美明と遊理香が寝ていた。
なんだかおかしくて、思わず笑ってしまった。
「なに、2人とも寝てんだよ。起きた起きた」と僕が言い2人を起こす。
「隼人君泊まっていい?」と美明
「私も泊まる泊まる」と遊理香
「ダメだダメ。眠気ざましにもう一勝負」
僕は断トツ最下位だった、ボードゲームのリベンジを3人に挑んだ。




