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第59話 美明と冒険に出よう

「ねえ明日ってみんな暇?」美明が部室で聞く。


「ごめん。明日用があるんだ」と遊理香


「私も明日はダメですね」と静羽


「わかった」と美明が少ししょんぼりしながら言った。


僕は学校から家に帰るとコーヒーを飲もうとしていた。


すると美明から連絡があった。


「隼人君は明日どうなの?」


「空いてるけど」


「ほんと!じゃあ出かけようよ」


「いいけど、どこへ」


「内緒。そんなに遠くないよ」


翌日授業がかなり早く終わり、一旦家に戻ってから美明と駅で待ち合わせをした。


「じゃあ出かけよう」


「だからどこへ」


「秘密。電車に乗った乗った」


電車に乗ること約1時間弱。


目的地に着いた。


飯能(はんのう)である。


さっそく駅を出て歩き出す。


「どこへ行くの?」


「いろいろ!」


僕は美明に着いて行く。


「そうだコンビニで飲み物買っておこう。途中自販機も無いからね」


僕は不安になった。


そんな過酷なところに行くのかと。


しかも先導があの美明である。


方向音痴で体力不足の。


かなり不安になってしまった。


「なにぼんやりしてんの。行くよ」と美明は明るく言うのだが。


「え~とどっちだっけ?合ってるよね?」


早くも道に迷った模様。


僕も目的地が分からないのでスマホで探しようもない。


とりあえず現在地を言うと「わかった。サンキュー」と言って歩き出す。


「着いた!」と美明が言う


「お寺?」


「の隣りの山」


見ると天覧山入り口の標識が。


さっそく2人で登ることに……


早くも休憩。


登ることに……


休憩。


「あの、先進まないんですけど」と僕が言う。


「しょうがないじゃん、この坂めっちゃ急だよ」


たしかに急ではあるけど、数メートルしか進んでないのに休憩って。


少し登ると平らなところにでた。


そしてまた少し進むと坂が。


「二手にわかれてるね。右が楽で、左が少し険しいみたいだよ」


「じゃあ左だね」と美明


左から行くと最後に岩場の階段が。


ここが少し険しい部分かと思った。


美明が息も絶え絶えで登り始める。


そしてようやく山頂に。


見ると標高200メートル弱。


10分ちょっとで着くところを30分かかった。


「見てよ綺麗な景色だよ。遠くに富士山やスカイツリーも見える」と美明がテンション高く言う。


確かに低山にしてはいい眺めだと思う。


椅子があるので美明が座ろうと言う。


そしてカバンからなにやら出してきた。


「はい。お昼」


美明の手作りだと?


それはフランスパンに野菜やベーコンを挟んだサンドイッチだった。


「遠慮なく召し上がれ」と美明


「ではいただきます」


見た目はともかく、味は美味しい。


まあ不味く成りようがない組み合わせだしね。


サンドイッチを食べたとは次はあそこと赤い橋を指す。


山を下りて赤い橋へ。


右手に飯能河原を見ながら進む。


2回だけ道に迷っただけで目的地へ着いた。


「しっかりした橋だね」と僕が言う


「でしょでしょ」と美明


橋を堪能したら下の道路に向かう。


「次はどこ行くの?」


「川沿いにずっと歩く」


川を左手に歩き出す。


人が2人通れるぐらいの道を歩き出す。


更に道が狭くなる。


1人分がやっとだ。


道が無くなったので、川から離れて新たな道を探す。


そしてまた歩き出す。


「人がまったくいないけど、この道合ってるの?」と僕が聞く


「も・もちろん。大丈夫なはず」


「はずって言った」


「川沿いを歩いている限り平気だよ。最悪川沿いなら線路にぶつかるはずだし」


駅前で買った水を飲みながら歩く。


すると突然、車がたくさんある。


駐車場に出た。


思わず「助かった」と僕が言う


「ここが目的地じゃないし」と美明が言い歩き出す。


建物の脇を抜けて森林地帯へ出て歩き出す。


「あっ」とお互い声が出た。


童話に出てくるような不思議な建物が見える。


「着いた」と美明が言う。


トーベヤンソンあけぼの公園である。


トーベヤンソンはフィンランドの作家でムーミンの生みの親だそうだ。


ここはトーベヤンソンと手紙のやり取りをしながら完成したらしい。


そして不思議な建物はきのこの家という。


きのこの家にはいると、それはおとぎ話に出てくるような内装だった。


窓はステンドグラス。


木の匂いが心地よい。


大きな暖炉のようなものもある。


2階に上がると、不思議な小部屋などが。


そこから見る外の景色は日本ではないように感じる。


きのこの家を出ると別の建物に向かう。


森の家に着いた。


ここも先ほどと同様に、素敵な内装だ。


ここは1階に資料が展示されていて、2階は図書室になっている。


他にも童話の世界にあるようなたくさんのベンチや、池に建てられた青い建物が素敵だ。


いろいろ移動し建物たちを一望できる場所にきた。


「ねえ隼人君。どうだった?」


「最初はどうなるかと思ったけど、来てよかったよ」


「うん。ここ素敵なところだよね」


しばらく2人で景色を見つめた。


「じゃあそろそろ帰ろうか」


「そうだね。またあれだけ歩かなくちゃだしね」


「えっ、帰りは駅までバスだよ」


「バスあるんか~い」

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