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第58話 遊理香とハロウィン

部室で遊理香と2人きりだ。


美明も静羽もまだ来ていない。


遊理香がさっきから僕のことをちらちらと見ている。


何か言いたそうだ。


「遊理香、何か僕に用あるの?」僕の方から聞いてみた。


「隼人31日って何か聞いてる?」


「いや特に何も聞いていないけど」


「美明も静羽も何も言っていないの?」


「うん。31日ってなにかあったっけ」


「31日はハロウィンだよ」


「ああ。そうなんだ。知らなかった」


「ねえ隼人。もし部活がなかったら、私とハロウィンを一緒にしない?」


結局美明も静羽もハロウィンについて触れなかった。


31日は遊理香とハロウィンをすることになったのだ。


前々日、家で遊理香とやり取りをした。


それで、ハロウィンって何をやるのか聞いてみた。


「隼人の家で、仮装して何か食べてホラー映画を観る」


「僕の家で?」


「そりゃそうでしょ。今からお店なんて予約取れるわけないじゃん」


「そりゃそうか。でも服も、食べ物もホラー映画も何も用意してないよ」


「だから2日前に言ったんじゃん。明日用意するように」


翌日僕は急いで用意をした。


当日、学校終わりに遊理香がやってきた。


美明と静羽を抜きに2人きりで僕の家で会う。


考えてみればまずいことなんじゃないかと思った。


しかし反面妙な期待もあるわけで……


部屋に案内すると、早速「着替えるから外で待ってて」と言われた。


僕の部屋で女の子が着替えるなんて。


言われた通りに外で待ったが5分ぐらいだろうか。


その間僕はドキドキしっぱなしだ。


「入っていいよ」


遊理香が悪魔というか、小悪魔のコスプレをしていた。


黒と紫がベースだ。


ワンピースなんだろうけど、上はタンクトップみたいで、その下は素肌だ。


スカートはパニエになっている。


ミニで中に黒のレースが。


そして黒の網タイツ!


つまりえろい!


思わずガン見をしてしまう。


遊理香は僕の視線を楽しんでいるようだ。


「隼人も着替えなよ」


僕は部屋の外で着替えた。


遊理香の「ここで着替えれば」と言うのを無視して。


僕の衣装は黒ずくめの死神。


ローブ、手袋、帽子など真っ黒だ。


そして最大のポイントは大きな鎌。


中二心をくすぐる衣装だ。


2人で写真を撮る。


死神と小悪魔。


いい組み合わせだと思った。


お互い満面の笑顔でなければ……


そして用意しておいたピザとチキンを出す。


「静羽がいないから、手作りを諦めて買ってきた」と僕が言うと遊理香が少し不機嫌になった。


「なんで2人きりなのに、他の女の子の名前を出すかな」


乙女心は難しいと思った。


「ケーキもあるよ」と言ってなんとかご機嫌をとる。


その後はホラー映画鑑賞。


くっついて映画を観る。


いい匂いがする。


そして遊理香の肌が温かい。


僕は映画そっちのけで、そんなことを思っていた。


映画も終盤に、遊理香が言った「隼人はもう決めたの?」


「何を?」


「なんでもない」


映画を観終わると、遊理香が帰ることに。


玄関まで見送ると、「隼人はいい人だね」と遊理香が言い、帰っていった。


どういう意味だろうと考えたがと考えたが答えが出なかった。


部屋に戻ると、遊理香の香りが。


その日は遊理香のことを考えていた。


どうするのが正解だったのだろう。

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