第56話 スパリゾートその4
受付に戻り食事代などを精算した。
バスに乗り箱根湯本駅に向かう。
またもや隣の席は美明だった。
美明は「とても楽しかった。せっかくなら泊まりたかったけど、ホテル代を考えて日帰りにした」などと話してきた。
みんなが楽しめたなら、それでよかった。
僕もとても楽しかったことを伝えた。
「ねえ。今度はどこに行こう?」と早くも次のことを話す美明。
「それは帰ってからゆっくり考えようよ」と僕が言った。
美明は旅が楽しくて仕方がないようだ。
話しているうちに駅に着いた。
ここからは電車で少しゆっくりできると思った。
電車に乗ると、席は左から美明と静羽。
通路を挟んで僕と遊理香となった。
車内に停車駅のアナウンスが流れる。
まもなく発車だ。
電車が動き出す。
「隼人、今日は楽しかったね」と遊理香が言う。
「そうだね。また来たいぐらいだよ」と僕が言う。
「隼人は私たちの水着をまた見たいだけでは?」と遊理香
「否定はしない」
「素直でよろしい」
そんな話をしていると小田原に着いた。
そして電車が走り出す。
すると、遊理香が寄りかかってきた。
どうやら疲れて寝てしまったのだろう。
僕は左肩に遊理香の体温を感じながら、色々なことを考えたりした。
もちろん、時々遊理香の寝顔を盗み見しながら。
伊勢原、海老名、町田と停車していく。
外は暗くなってきて景色を楽しめないのが残念だ。
下北沢を過ぎた辺りでスピードが落ちる。
もうすぐ終点だ。
参宮橋を過ぎた辺りでもうすぐ到着のアナウンスが。
遊理香を起こそうとする。
「もう着いちゃうの?」と遊理香
「まさかずっと起きてたの?」と僕が聞く。
「もちろん。えへへ」
僕はちょっと苦笑いをした。
新宿に着くと、電車を乗り換え、地元の駅に向かう。
車内で人混みに揺られながら地元の駅に着く。
「みんなお疲れ」と美明が言う。
「楽しかったです」と静羽
「私は泊まりたかったなあ」と遊理香
駅で別れ、僕は無事家に着いた。
家に着くと、疲れが襲ってきた。
ベッドで寝るのを我慢して、荷物を出した。
水着などは洗濯カゴに入れないといけないと思ったからだ。
すると、1枚の封筒が。
まさかと思い中を見る。
私の事は忘れて 過去を振り返らず今を見て アネモネ
僕は眠気が吹っ飛んだ。
この手紙が示す意味は……。
アネモネは3人のうちの誰かだ。




