第51話 写真
最近、誰かに見られている気がすると遊理香は感じていた。
休み時間や昼食時、移動中にも。
部室にきて談笑中にも視線を感じることがある。
遊理香は怖くなってきた。
ある日の部室で「最近視線をやたら感じるんだよね」と言った。
「えっストーカーに狙われているの?」と美明
「変態さんですか」と静羽
「いや。まだわからないんだけどね。ここ一週間ぐらい前から急に」と遊理香
まさか……と、3人は僕の方を見る。
「違うよ。僕なら気配を残さない」
「それめっちゃやばいやつじゃん」と笑いながら言う遊理香
僕は何か気配を感じ、部室のドアを開けた。
すると男女2人が。
「あっすいません」と男子生徒が言う。
そして逃げようとしたが、女子生徒が引き止める。
そして「私たち写真部なんですが、お願いがあって」と言って遊理香を見る。
男子生徒が「遊理香さんを撮らせてもらえませんか」
「えっ私を?なんで」と遊理香
「遊理香さんの顔立ちと佇まいが良いので。それでコンテストに応募しようと思いまして」と男子生徒
「お願い」と女子生徒
遊理香は困った。
他人に写真を撮られるのと、ましてや応募に使われるのを。
「ごめんなさい」と遊理香が言う。
「そこをなんとか」と頭を下げる2人。
「遊理香モデルになってあげたら」と見かねた美明が言う。
「でも」と遊理香が言う。
「ちょっとの時間だけでいいんです。応募の締め切りが近くて。もう遊理香さんにすがるしかなくて」と男子生徒
「お願いします」と女子生徒
「どう?遊理香。協力してあげてくれない」と美明
僕は思った。
困ってる人をみると助けてしまう。
それは、アネモネのようだと思った。
「わかった」と遊理香
「構図はもう決まっています。教室の窓辺から校庭を見るというところです」と男子生徒
「じゃあ早く終わらせちゃいましょう」と遊理香
そして3階の空き教室に移動。
遊理香が窓辺に頬杖をして校庭を見る。
そこを斜め後ろから撮影するということ。
僕は思った。
遊理香はほんと絵になるな。
思わず僕もスマホを向けてしまう。
スマホのカメラ越しに見る彼女は綺麗だ。
写真部が撮影をした。
「ありがとうございました」と2人が言う
その後僕もスマホのシャッターを押した。
それから写真部は写真をプリンターで印刷してくれた。
それを見た美明は「遊理香超きれいじゃん」
静羽は「素敵な写真です」と言った
「ありがとう」と遊理香が言う。
美明が「隼人君の感想は?」と僕に聞く。
僕はさっき自分が撮ったスマホの画像を見ていた。
美明が覗き込み「あっ」と言い「隼人君の写真超いい」
それを聞いた静羽と遊理香が見に来る。
「すっごい素敵」と静羽
「これ私?」と遊理香
その画像はオッケーが出て、気が緩み笑みがこぼれた瞬間であった。




