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第49話 鵜原

劇が終わった後は4人で部活やクラスの出し物を見て回った。


親交のある、茶道部や美術部やクラスにも顔を出した。


こうして2日間における文化祭が終わったのである。


部室に戻ると打ち上げをしようということになった。


僕が「料理でもする?」と言ったが静羽が1日目に料理をしまくったので、どこかに行こうということに。


いくつか候補がでたが、千葉の鵜原(うばら)に決まった。



朝に出発したのだが鵜原に着いたのは昼頃だった。


京葉線や外房線に乗り地元から3時間以上。


結構な長旅になった。


駅前で食事をしたらまずは勝浦海中公園を目指す。


15分ほどで海が見えてきた。


そして目指すは海中展望塔。


海中展望塔は沖合約60メートルの場所にあり、海上に建てられた桟橋(さんばし)を渡って行くのだ。


先頭を歩く、美明のテンションが高い。3時間以上の移動の後に桟橋を歩いているからだろう。


海中展望塔は、螺旋階段を降りていき、水深8メートルから海中の生き物を観察できるようになっている。


いわば自然のままの水族館である。


ちなみにここの料金はその日の透明度によって変わる。


4メートル以上が1番高く、2~3メートル、1メートル、0メートル、となっており0メートルが1番安い。


でも透明度0メートルって見えるのかな。


ちなみに朝にホームページでその日の透明度などが発表されている。


本日は透明度4メートル。


水温20度。


魚の種類は25種類だ。


4人で螺旋階段を降り、早速窓越しに海中を見てみる。


たくさんの魚がいる。


ハコフグやイシダイが見える。


何の魚かわからない場合は窓の上などに魚の紹介があるので照らし合わせたりする。


あれはメバルだったか。


運が良ければ、1.5メートルのドチザメが見れるらしい。


遊理香が「あの魚かわいい」と言いながら美明と色々見て回っている。


静羽は1つの窓でじっくり観察している。


僕はそんな3人を見ながら、なんだか微笑ましい気分になった。


しばらく見た後は階段を登って、海上展望室へ。


運が良ければウミガメが見れるらしい。


美明が必死に探している。


遊理香は海洋生物のクレーンゲームやガチャガチャをチラチラ見ている。


やりたそうだが、なんか我慢しているようだ。


気にせずやればいいのにと思った。


静羽は僕の横に来て、海を見ている。


その後はすぐ近くの博物館に行こうか迷ったが、時間の関係で断念。


一旦駅方面に行ってから次の目的地へと向かった。


向かったのは鵜原理想郷。


ハイキングコースである。


「なんか名前すごいね」と美明


「理想郷ってねえ」と遊理香


ようこそ理想郷へという標識に沿って進み、いくつものトンネルを抜けてハイキングコースへ。


なんかハイキングというより冒険感が強い。


たぶん視界が開けてないからであろう。


おかげで美明のテンションが高い。


頻繁にハイキングコースの矢印があるので道なりに。


長く真っ暗なトンネルがあり、そこを抜けると、急な上り坂。


また美明がバテだした。


この人、いつも思うけどなんで旅行好きなんだろ。


美明の為に狭い上り坂で4回休憩をして、ようやく平坦になった。


更に歩くと分岐路に。


なんか迷宮ぽい。


外だけど。


「美明どっちに行くの?」と僕が聞くと


「左!」と大きい声で美明。


砂岩の階段を降りて、ちょっと危ない野生の道を進む。


ハイキングにしては険しすぎじゃないですかね。


そしてしばらく歩くと海が見えてきた。


柵があるけど、2時間推理ドラマで最後犯人が自供して身投げしそうな景色。


景色はかなり良い。


流石理想郷。


すると美明が走り出す。


石で出来たオブジェに鐘がついている。


太平洋を見渡す柵がない断崖絶壁の近くにそれはあった。


「みんな鐘があるよ、鳴らそうよ」と美明がいいつつ「カンカーンカーン」と1人で鳴らす。


遊理香と静羽も鳴らしだした。


3人のテンションが上がった。


そりゃこの景色だし、鐘を鳴らせるってのがいいね。


ここは手弱女平(たおやめだいら)というらしい。


鐘は幸せの鐘というみたい。


名前を知って、また鳴らしに行く3人。


「隼人君も鳴らそうよ」とハイテンションの美明。


「僕はいいよ。帰る?分岐点に戻る」


「戻る!」と元気のいい美明


しかしまた起伏の険しい荒れた道が。


毛戸岬(けどみさき)というところへでた。


さっきと向かいの断崖絶壁だ。


遊理香と静羽が柵のところに行って景色をみてはしゃいでる。


あれ美明は?と思い探すとベンチに横になっている。


あなたさっきまでのテンションなんだったの。


そしてまた戻り別の道を歩き出す。


階段が風化してボロボロだ。


ハイキングコースとは思えないハードコースを歩いて行くと開けた場所に。


左は白鳳岬。


右は黄昏の丘ってかいてある。


理想郷と言い名前がかっこいいと思った。


左を見ると柵のない断崖絶壁。


右を見るとなんかオブジェのある丘が。


近づいてみると、丸いテーブルと囲むようにある椅子だった。


怖いけど景色がすこぶる良い。


メインの道へ戻ると下りになった。


割と舗装された道を下りていく。


トンネルを抜けると、鵜原海岸に出た。


そしてやや離れたところに鳥居が見える。


なんで海岸に鳥居が。


みんなで近づくとその鳥居は白かった。


海に浸かる海岸の白い鳥居。


そして夕焼けの空と海。


鳥居のバックで日が沈もうとしている。


その光景は幻想的で4人は誰も声が出ず、ただただその光景を見ているだけであった。


ようやく美明が「きれい」と言う。


また来たい。


そんな素敵な場所であった。

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