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第48話 文化祭2日目

体育館に、開始の合図であるブザーが鳴り響いた。


文化祭、演劇部+旅行・料理部による舞台が始まったのである。



ナレーション「あるところに、シンデレラと呼ばれている美しい娘がいました。


シンデレラのお母さんは亡くなり、お父さんは新しいお母さんと結婚しました。


シンデレラは趣味に没頭し、アニメ、漫画、ゲームにSNSをやる日々。」


遊理香(シンデレラ)「あのアニメ面白かったなあ。展開が神。このゲーム超面白い。全人類がやるべき」


ナレ「新しいお母さんと義姉は陽キャで、友達も多くリア充な毎日。新しいお母さんと義姉は、主人公のオタク趣味をよくよく思っていません」


美明(義姉)「そのお金があったら合コン行きなよ」


ナレ「などとチクリと嫌味を言ってきます。ある時、最推し声優のグッズ付きお渡し会が開催されることになりました」


美明(義姉)「チケット当たっちゃった。でもその日合コンなんだよね」


静羽(新しいお母さん)「ではシンデレラが代わりに行ってきたらどうです。たまには外に出なさい」


ナレ「シンデレラは必死に準備をして、徹夜で痛バ(缶バッジ・キーホルダーなどを大量に飾り付けて「推しへの愛」をアピールする痛バッグ)を仕上げて会場へ向かいます」


遊理香(シンデレラ)「なんかウェーイとか言ってる集団がいる……とりあえず列に並ばなきゃ。外の世界怖い」


ナレ「お渡し会は時間制限があり、列の進行も早くて、推しと話せる時間はほんの数十秒」


遊理香(シンデレラ)「あ・あの…応援してます…頑張ってください……」


ナレ「シンデレラは名残惜しさを抱えたまま会場を後にします。帰りの電車で、ふと手元を見て気づきます」


遊理香(シンデレラ)「痛バが…ない。」


ナレ「慌てて探しますが見つからず、会場で落としたのだと気づいたときには、すでに戻ることもできません。


数日後、SNSで推し声優の公式アカウントが更新されます」


隼人(声優)「先日のイベント会場で、とても印象的な痛バの落とし物を拾いました。持ち主の方とお話がしたいです。心当たりのある方はご連絡ください。」


ナレ「投稿には痛バの外観の写真が添えられていて、まさにシンデレラのもの。それを見たオタク仲間たちの間で話題になりました」


演劇部(オタクA)「センス神。しかもレアバッジじゃん」


演劇部(オタクB)「この持ち主さん名乗り出て…!」


ナレ「シンデレラ名乗り出ようと思いましたが、世間の目が怖くて踏み出せません。。数日後、玄関のチャイムが鳴り、最推し声優がやってきた」


隼人(声優)「すいません。この痛バの持ち主を探しています」


静羽(新しいお母さん)「そのバッグは私のです」


美明(義姉)「あれ?声優じゃん。それ私のだから」


隼人(声優)「中に入っていたマイナンバーカードの写真と、顔が違いますが」


ナレ「声優が奥の部屋を開けると、足の踏み場もなく、真っ暗な部屋でパソコン画面にかじりついているシンデレラがいました」


遊理香(シンデレラ)「えっ。声優さんがどうしてここに」


隼人(声優)「これあなたのですよね」


ナレ「そう言って痛バを出す」


遊理香(シンデレラ)「はい」


隼人(声優)「どうして名乗り出てくれなかったんですか?」


遊理香(シンデレラ)「注目を浴びるのが怖くて」


ナレ「声優は痛バにその場でサインを書いて渡しました」


隼人(声優)「これ限定品ばかりですよね。ありがとう」


遊理香(シンデレラ)「はい、SNSのフォロワーに頼んで、地方や海外限定のを集めてもらったんです。後は応募したり、SNSのリツイートキャンペーンだったり、感想書いたら抽選でもらえるとかにも」


ナレ「すごい熱量の早口で一気にまくし立てるシンデレラ」


隼人(声優)「ありがとう。これからもよろしくお願いします」


ナレ「声優はニコニコしながら聞いた後、玄関に向かっていった。シンデレラは勇気を振り絞り、部屋から出て見送ろうとする」


隼人(声優)「無理に部屋から出てこなくてもいいですよ。インスタライブや動画サイトでライブもやるんでよかったら見て下さい」


ナレ「声優がそう言って帰っていった。こうしてますます引きこもったシンデレラ」


遊理香(シンデレラ)「あっ動画サイトでライブやってる」


ナレ「その後、インスタライブや動画サイトでコメントや反応を見せるようになったとさ。おしまい」

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