第46話 全国高校生料理コンクール
文化祭に向けて演劇の練習が始まった。
旅行・料理部の4人は演劇素人だ。
特に出番が多い遊理香と僕は苦戦中。
主に遊理香のモチベーションの問題でもあるのだが。
練習は毎日あるわけではないので、練習のない日は部室でくつろいでいる。
そんな時に、美明から提案があった。
「この前隼人君が生徒会に呼ばれたじゃん。このクラブには活動実績がないとか。そこで実績を作らない?」
「どういうことだ」と僕が聞く。
「ずばりコンクールとかに参加しよう」と美明が言う。
「それって、審査があって、通ったら会場で料理を作るんだろ?」僕がそう言うと
「それがですねえ。レシピ送るだけでいいコンクールがあるんだよ。向こうでプロがレシピを見て作って判定してくれるんだって」
「つまり考えるだけでいいのか」
「ただし条件がある。大手製粉会社のコンクールなので、小麦粉とかを使う料理だって」と美明が言う。
静羽と遊理香も興味があるのか美明に近づき資料を見る。
「1時間以内で1人分500円程度って書いてありますね」と静羽
「個人又は4人以下のグループって書いてあるね」と遊理香
「実質静羽1人だから静羽が応募で、私たちもアイデアで協力でいいんだけどね」と美明
「せっかくなので4人の名前というか、旅行部・料理部で応募しましょう」と静羽
「後はどんな料理って、締め切りすぐじゃん」と僕が言う。
「だって今さっき知ったから」と美明
料理の分類が7項目に分かれている。
この中の1つを選択するのだ。
例えば1番菓子・デザート。
2番パン・ナン・スコーン(ピザ・ピロシキ・パンケーキ・ケークサレ・マフィン)
「範囲が広いと逆に難しいな。静羽どう思う?」と僕が聞くと
「そうですね。7つどのジャンルでもチーズが使えますね」と静羽
「やっぱチーズ料理なのね」と美明
「過去の受賞作品見てるんだけどさ、必ず1つ以上スイーツが入ってんだよね」と遊理香が指摘する。
「本当だ。ということはスイーツ有利なのかな」と僕が言う。
「でもスイーツって激戦そうだけど」と美明
「結局、ジャンルにこだわらず、考えるしかないか。なにかきっかけがあればなあ」と僕が言う。
それまで過去の受賞作をじっと見ていた静羽が言う。
「この前鎌倉で隼人さんが食べてた、たこ焼き団子を改良しましょう。3つのたこ焼きに違うチーズを入れ、串に刺すんです。名付けて3種のチーズ・たこ焼き風」
それから材料を買いに行き、さっそく試作。
見た目はたこ焼き風にして、青のりならぬ乾燥パセリを振りかける。
そして分量のメモを書きながら料理をしていく。
流石静羽。
たこ焼きならぬチーズ焼きは8種類ぐらい作り、みんなで意見を出し合い3つを選んだ。
応募用に画像を送る必要があるので、、遊理香が写真を撮った。
見た目も味も良い。
1時間ちょっとで考えたにしては、かなりの出来栄えだった。
後は僕が、先生に事後報告をして、先生に名前を書いてもらい、書類に必要事項を書いて完成した。
さっそく書類を送り、後は待つだけ。
何かしらの賞がもらえるといいな。




