第41話 料理教室
放課後、僕は生徒会室に呼び出された。
ドアをノックし、「失礼します」と言って中に入った。
「旅行・料理部の部長さんだね。僕は生徒会長の長門だ。そこの椅子に掛けてくれ」
僕は言われた通り椅子に座った。
「実はね。君達の活動を疑問視する声が上がっていてね。活動実績はあるかい?」
僕はいくつかの旅行先と、料理を作った話をした。
「それでは困るなあ。つまり実績はなしってことだろう?」
「実績とは?」
「君らのしてきたことって、自分達で楽しんだだけだろ?これは大学のサークルではない。例えばコンクールに出場したとか、他校と交流したとか。そういうのだ」
「確かにそういうのはありません」
「そこでだ。君達は料理部でもあるのだろ?我が校の生徒に料理教室を開催して欲しいのだ」
「料理教室ですか」
「そう。我が校は料理関係は君達の部しかない。家庭科部がないからね。そうだな、今年中に2回料理教室を開いて欲しい」
「わかりました。帰ってみんなに相談します」
「相談するではない。これは決定だ。断るなら代案を提示して欲しい。でも料理の勉強をしたいって要望があったので、料理教室をやって欲しいのだがね」
「わかりました」
「以上だ。なんの料理かは任せる」
僕は生徒会室を後にして、部室へと向かった。
「隼人君生徒会に呼び出されたんだって?」と美明
「ついに悪さしちゃったか」と遊理香
「覗き……とかですか?」と静羽
「ちが~う」
そして生徒会長とのやり取りを話した。
「料理教室ねえ」と美明。
「そうなると……」と遊理香は言い、静羽を見る。
「私ですか?」
3人で頷く。
「だって私も遊理香も隼人君も料理下手じゃん」と美明が言う。
「無理です。私が教壇とかに立って教えるなんて」と顔の前で手を振りながら静羽が言う。
「では他に代案ある?」僕はそう言って3人を見る。
「ないね」と美明
「では、静羽お願い出来ないか?」と僕は頭を下げた。
「やります」と即答する静羽。
「いいのか?」
「隼人さんの頼みですから頑張ります」
「何作るの?」遊理香が聞く。
「もちろんチーズ料理です」と当たり前とばかりに言う静羽。
「まあいいか」と僕は言った。
後日いくつかの掲示板に料理教室を開催と書いた張り紙を貼った。
日時と場所は調理実習室で放課後である。
参加者は事前に旅行・料理部の前にある箱にクラスと名前を記入して入れてくださいと書いた。
理由は人数が知りたかったから。
家庭科の先生にも立ち会いをお願いした。
そして作る料理はチーズリゾットとチーズパンケーキになった。
そして締め切り期限を過ぎた。
応募人数は28人。
男子生徒3人。
女子生徒25人。
1年と2年生が中心だ。
静羽はこの結果を見て「隼人さん、思ったより人が来ているんだけど……」
「大丈夫。僕も美明も遊理香もサポートするから」
そうしているうちに、当日を迎えた。。
「みなさん、お集まりいただきありがとうございます。旅行・料理部1年の静羽と申します。本日は、チーズリゾットとチーズパンケーキを作りたいと思います」
「なんか小さくてかわいい」
「ちょっと緊張してるのかわいい」
集まった生徒がヒソヒソ話をする。
静羽の耳にも届いているはずだが、からかわれているのだろうと思い、聞こえないふりをしていた。
「今回28人集まりましたので4人ずつに分かれて7つの班で作っていきたいと思います。まずはご飯を炊きます」
集まった生徒が班に分かれる。
ご飯に牛乳とコンソメ、チーズ、具材を加えて、最後にコショウを振って完成。
そして、小麦粉・卵・牛乳・砂糖・チーズを混ぜてフライパンで焼き、最後に更にチーズを乗せて完成。
静羽と先生が見て回りながら、各班ができ上がっていく。
全班ができたら、みんなで食事。
「思ったより簡単だったね。それでいて美味しい」
「チーズのコクがいいね。家でも作ろうっと」
「これ見た目も良くない?画像あげちゃおう」
結構好評だ。
横で見ていた、僕と美明と遊理香も嬉しくなった。
「静羽がんばったな」と僕が言う。
「ありがとうございます。えっと……すっごく楽しかった」と笑顔で静羽が言う。
「静羽先生。次回は何つくるんですか?」と集まった生徒の1人が聞く。
「別のチーズ料理です」
調理実習室がざわついた。




