第24話 手紙と遊理香
僕はいつの間にか家に帰っていたみたいだ。
途中の記憶がない。
アネモネからの手紙。
まずアネモネが学校の生徒であることは間違いない。
向こうは僕のことをわかっている。
クラスも席も。
では一体誰だろう。
クラス内にいるのか。
それとも。
部活の3人の顔が浮かんだ。
今までアネモネの特徴を皆見せてきたからだ。
じゃあ3人のうち誰がそうなのか。
それとも別の誰かだろうか。
夏休みに入り3日間考え続けた。
しかし誰だかわからない。
そして出た結論は情報不足。
決め手が欲しい。
夏休みになり一週間が過ぎた。
アネモネ詮索以外は何もしなかった。
するとスマホに連絡が。
「明日暇なら付き合って欲しい」
遊理香からだ。
僕はいいけど、と返信した。
そして、何処へ行くのと聞くと、光が丘と返ってきた。
光が丘?なにかあったっけと思いながら、待ち合わせ時間などを決めた。
翌日駅に行くと、遊理香が待っていた。
「ごめん。待たせた?」
「待ってないよ。それより早く行こう」
そういって電車で光が丘に向かった。
遊理香はグレーのチェックシャツとフリルのスカートだ。
僕は「光が丘に何しに行くんだ?」と聞いた
遊理香は少女漫画を取り出した。
今アニメもやっている『ストロベリークリームソーダ』だ。
「光が丘が舞台じゃん」
「当たり前のように言うけど、僕は知らないぞ」
「そうなの?光が丘がモデルで今タイアップしてスタンプラリーをやってるんだ。だから巡礼も兼ねて」
「なるほど。わかった。けどなんで僕?」
「美明と静羽はこういうの誘いづらい」
そう話しているうちに光が丘駅に着いた。
地下から地上に出るとストロベリークリームソーダの、のぼりなどが。
遊理香のテンションが上がった。
事務所に行き、スタンプラリーの用紙をもらう。
5か所でスタンプを押すのだ。
1か所ごとに遊理香が説明をする。
ここは主人公とヒロインが出会った場所で、この店で○○を食べたところとか。
スマホでバシバシ撮っていく。
あるお店ではグッズを販売していたので買い、漫画やアニメに出てきたものを食べ、遊理香はとても楽しそうだった。
普段クールっぽい感じだから、こんなにテンションが高い遊理香は珍しい。
スタンプを集め景品を貰う。
僕もスタンプ押していたので、景品をもらい事務所の外に出ると遊理香に景品をあげた。
「いいの?」
「うん」
「やったあ!」
最後に公園に行きベンチに座る。
ここは主人公とヒロインが初デートをした場所だと言う。
「じゃあ2人で座ってるとこ撮るよ」
そういってスマホで自撮りをした。
「ここはストロベリークリームソーダの初デートの場所でもあるけど、私達の初デートの場所にもなったね」
「えっ?」
「じゃあ帰ろうか」
「えっ今のは」
それに対して遊理香は何も言わず、僕の手を引っ張って歩く。
その手は、少し震えてるように思えた。




