第20話 ミネラルメルカート
放課後いつものように4人で部室にてくつろいでいた。
遊理香がスマホでなにやら検索しまくっているようだ。
「遊理香、なにやってんの?」と美明が聞くと
「ミネラルメルカートのこと調べてるの」
「なんですかそれ?」と静羽
「石の即売会。鉱物とかまあいろんな石が売ってるとこ」
「宝石とかですか?」と静羽
「宝石も。だね」
「遊理香鉱物興味あるんだ」と美明
その会話を聞いていた僕は思った。
かつて1度だけアネモネが鉱物の話をしてたことがあるのを。
これまでの情報から、アネモネは美明か静羽だと思っていた。
しかし鉱物に興味があるなら遊理香も可能性がある。
ましてやミネラルメルカートに行こうとしてるのは……
「遊理香、どんなのがあっていくらぐらいなんだ?」と僕が聞いた
「石はいろいろ。さっきも言った宝石と呼ばれるものから、天然石・鉱物の他に、隕石や化石なんかも売ってたりするよ。値段は数百円から数十万かな」
「遊理香私も行く」と美明
「僕も行くよ」
「静羽はどうする?」と遊理香
「私は宝石とか似合わないし、石にはあんまり……でもみんなが行くなら」
こうして若干乗り気でない静羽も含めて4人で、ミネラルメルカートに行くことになった。
場所は電車に乗って駅から歩いて30分弱。
ミネラルメルカートは全国で開催されているけど、基本は大きい街。
だから人が多い。
しかし今回はやや中心地から離れた場所。
人が多すぎないところが良いだろうと遊理香が気を使ってくれたのだ。
場所も駅から道なりでほぼ真っすぐ。
美明が迷う心配もない。
会場に着いて中に入ると、模擬店に近いお店がたくさんある。
どの店も当たり前だが、石・石・石だ。
ちなみに入場は無料だ。
端から順に4人で見ていく。
まずは水入り水晶というのが売っている。
水晶の成長過程で、水などが内包されている水晶とのこと。
つまり古代の水が詰まっているのだ。
値段は1番安いので5000円。
これはロマンを感じる。
いきなり欲しい。
次に見たのはデザートローズ。
砂漠地帯で花びら状になった天然石。
和名は砂漠の薔薇。
かっこいい。
しかも500円。
買おうかな。
次はマラカイト。
濃い緑の鮮やかな石だ。
和名孔雀石。
1300円から7000円ぐらいのが売っている。
ローマングラス。
ローマ帝国領域で作られたガラスが長い年月で銀化したもの。
これも欲しい。
ビスマス結晶。
不思議な色と形というかデザイン。
これはいかん。
さっきからどれも欲しい。
横を見ると、遊理香と美明も興奮してるのがわかる。
次もいろんな石があるが、オレンジのマーブルが派手なサードオニキスという石に静羽が興味を示した。
「これ綺麗」
ちらりと値段を見ると1500円。
静羽にはお世話になっているから買ってあげたい。
珪化木。
地中に埋もれた木の幹や枝などが石のように硬く化石化したもの。
これ元は木なのか。
石にしか見えない。
たくさんの店を見て回る。
遠くから見ると、なんで豚肉が売ってるんだと思ったら、ポークストーンというそのまんま豚肉石というものだった。
これどう見ても豚肉だろう。
静羽のテンションがあがった。
なんか嬉しい。
2000円からあるし、これもいいな。
次のお店では大きい石が売っている。
アメジスト60万円……
この店はスルーと思ったら、アゲートという1/4ぐらいに切断された石がいくつか売っていた。
断面がすごく綺麗だ。
これも高いんだろうと値段を見たら、2500円・1800円・1300円。
値段貼り間違えかと思った。
この大きさ、この綺麗さでこの値段。
遊理香と美明も食い付いた。
次のお店は化石だ。
スピノサウルスという恐竜の歯などが売っている。
そしてアンモナイトやオウムガイの化石も。
次はルース店だ。
遊理香に「ルースって何?」と聞くと
「指輪やネックレスに留められていない裸石のことだよ」
つまり宝石と呼ばれる石なのだろう。
エメラルド・ルビー・サファイアなど有名な石が。
他にも聞いたことがないけど、綺麗な石ばかりだ。
それが500円からある。
もっと聞こうとしたら、遊理香に手で黙っててと言われた。
美明も端から順番に見ている。
静羽と2人で綺麗だねといいながら見ることにした。
奥の店にはガチャガチャがいくつか。
500円や1000円で1回回せる。
最後に人が集まっている場所へ。
なんだろうと見ると石を割っている。
説明を読むとジオード割りと書いてある。
石を買う。
それを割る。
中は。空洞の水晶が。
遊理香がこれ欲しいと言ってお店の人に声をかけた。
お店の人が「軽い方の石の方が、空洞が大きくて綺麗ですよ」
遊理香がこっちだ、あっちだと石を選んだ。
目をゴーグルで保護して、石にくさびを乗せトンカチで叩く。
石が真っ二つに割れ、中は綺麗な水晶の結晶が。
遊理香は大満足。
一応これで各店を見たので、後は気に入ったのを買いに行く。
遊理香と美明はいくつか買ったみたいだ。
静羽はガチャガチャに向かって行った。
1000円を入れて「えぃ!」と回した。
出てきたのは大きくて綺麗なクリスタルオパール。
4ctである。
大当たり、希少の文字が。
値段は1万3000円と書いてある。
静羽が「キャッ」と声をあげて喜んだ。
僕も嬉しくなった。
続いて僕もガチャに挑戦。
出てきたのはサクラメノウ2000円。
まあ倍の値段だしいいか。
静羽の強運はすごいと思った。
そして、遊理香と美明と合流。
2人とも満足して、いろいろ買ったみたいだ。
そして帰ろうとして扉を出ると、美明が「やっぱ買い足し」と言って店内に戻っていった。
少し経ってから「お待たせ」と美明が戻ってきた。
あの大きなアゲートを3つ買ってきた。
「やっぱこれ綺麗だし。大きいし」
こうして歩いて駅に向かったのだが。
最後美明がバテバテになった。
そりゃ、あんな大きな石を3つも持って歩いていたらバテるって。




