第19話 コスプレ部
放課後4人で部室でダラダラしていると、ノックがしてドアが開いた。
「ここは旅行・料理部だよな?」と上級生らしき背の高い女性の人が言う。
「はい。そうですが」と僕が答えると
「私はコスプレ部の部長。2年の衣吹というものだが、部長さんは?」そういって4人を見る。
「僕ですが」
「う~む。全員見てくれが良いな。あっいや失礼。ちょっと料理のことを聞くけど、ガチでやってる部活か?」
「いえ。料理はたまにやるぐらいです」
そういうと衣吹さんはがっくりと肩を落とした。
「どうしました?」
「再現飯って言ってわかるか?」
「漫画やアニメのですか?」
「そうそう。実は〇〇のアニメのコスプレをしようと思ってな。そこで食事シーンが多いだろ。だから料理を作って欲しかったのだが」
僕は静羽を見た。
もし作れるなら静羽だけだろう。
僕の意図を察した静羽が「どんな料理ですか」と聞く
「こういうのだ。スマホで申し訳ないが。必要なら大きいの用意するぞ」
それは大盛り炒飯のようなご飯に、魚や肉や野菜が乗っかっている豪快な料理だ。
「う~ん。ご飯は炒飯にしては色がやや薄い。でも白米ではない。ピラフとかが近い感じかな」
「おお!」と衣吹さん
「魚は丸ごとですね。これは鯛ですね。真鯛……いやチダイが近いですね。お肉はスペアリブでいいかと。野菜は……空心菜かな」
「静羽なんでわかるんだ?」
「私料理しますから」
「素晴らしい。是非作ってくれないか」
静羽を見ると迷っている。
僕も迷う。
こちらにメリットがないからだ。
「静羽ちょっといいか」と静羽を呼ぶ
「静羽。無理に引き受けなくてもいいぞ。こちらに得はない」と小声で言う
こちらがOKを出さないので、衣吹さんも考え始めた。
「メイド服1着提供しよう」
「やります」と僕が速攻答える
これには静羽も美明も遊理香もびっくり。
「あんた何勝手に決めてんのよ」と美明
「私達に着せて楽しむきね」と遊理香
「隼人さん!」と静羽
僕は静羽に「お願いします。協力してあげてくれ」と頼んだ
「わかりました。でも私は着ませんよ」
「おお。作ってくれるか。明日でも大丈夫か?」と衣吹さん
「材料さえあればいつでも」と静羽が答える。
「ではよろしく頼む。メイド服もその時渡す」そういって衣吹さんは去って行った。
翌日、静羽は完璧に料理を再現した。
これにはコスプレ部のみんなが驚きと称賛を。
衣吹さんは礼をいって、僕にメイド服を渡した。
コスプレ部のみんなは、さっそく料理のまわりに立ち撮影の準備を始めた。
僕がメイド服を手にニヤついていると
「隼人君が着なさい」 「隼人さんが着るんですよ」 「隼人のメイド姿みたい」
「ちょっと勘弁してよ。誰か着てくれ」
僕のお願いがむなしく響いた。




