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Scene48, -そして世界が終わった-


ぼくたちの頭上、時計塔に掲げられていた電光掲示板が

カチリという音と共に「551/551」の数を示した。


すると、学園内にパパパー!と場違いに明るい音が鳴り響き

電光掲示板がギラギラと輝き始める。


ぼくと番長さんは

突然鳴り響く音と光に驚き

それを唖然と見上げていた。


軽快な音楽が鳴り始め

時計塔の窓という窓から

色鮮やかなくす玉が次々と顔を出し


順繰りに割れていくくす玉からは

色とりどりの紙吹雪が舞い散り落ちて来る。


番長さんがつぶやく。

「生徒会のきゃつら・・」

「こんな大掛かりなものまで用意しとったんか。」


爆発の跡。崩れ落ちた校舎。

倒れる生徒たち。

そんな学園内に舞い散る紙吹雪。

ひどく場違いで。

なんだかすごくおかしな状況だ。


番長がフフっと笑い。

ぼくもまた。その光景を眺め

ほんの少しだけ心を癒される思いだった。


割れたくす玉は窓の中に引っ込み

また新しくカラフルなくす玉が顔を出す。

次々に割れていく色とりどりのくす玉たち。

そんな光景がどれほど続いただろうか。


やがて現れたのは。

真っ黒なくす玉たち。


カラフルなくす玉たちが次々に窓の中に納まり

次々と現れる真っ黒なくす玉。

やがて時計塔の周りは黒一色に包まれていく。

それは、見るにおぞましい光景だった。


いつしかぼくも番長も。

言い知れぬ不安を感じ

冷や汗を流しながらそれを見つめていた。


黒いくす玉のひとつが割れる。


中から無数の真っ黒な紙切れが舞い落ち。

そしてはるか彼方。

まるで世界中へ広がるかのように飛び散っていく。


次々と割れるくす玉。

舞い飛んでいく黒い紙切れたち。

もはや空はどこまでも黒一色に染まっていた。


そして、とうとうその紙切れたちの一部が

ぼくたちの頭上へ舞い落ちてくる。


落ちてきた紙切れの一つが時計塔の壁に張り付くと

そこから大きな空洞が広がり壁が消えていく。

そしてあっという間に時計塔は姿も形もなくなっていった。


さらに紙切れが舞い落ちて来る。

紙切れの触れたガレキが消え。

遠く離れて見えていた校舎も姿を消す。


「これは・・・なにが起きてるんじゃ・・・」


番長さんが

今までに見た事のない、怯えた表情でぼくを見た。


黒い紙切れがぼくの視界の中で舞い落ちて来て。

愛玩式さんの死体を消し去る。


番長さんが震えながらしがみついてきた。


「坂・・・!」


ぼくの名前を呼び終える、その前に。

番長さんの頭にあの黒い紙が張り付き。

そして番長さんは姿を消した。


「番長さん・・・!」


ぼくの声は伝える相手もいなくなり

むなしく響く。


そして。

気が付けばぼくの足にもあの黒い紙きれが迫っていた。


ハッと息を飲み、思わず目をつぶった。


・・・目を開くが

そこは先ほどまでと変わらない光景。

次々に消えていく世界たち。

ぼくだけが消えていない。


気付けば、ぼくの肩に浮き上がっていた

あの爆弾だけが影も形もなく消えていた。


ぼくは。

ただ茫然と立ちすくみ。

目の前の光景を見守る事しかできなかった。


そして残るのは。

すべてが消えた世界の中で取り残される

ぼく、ただ一人。


こうして。

世界が、終わった。


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