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オンリープラネッツ  作者: 星塚もぐら
第2章 学園
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21/29

21 入場


扉が開く。先程までざわめいてた会場が一気に静まり返った。会場には扉の前から中央へと一目で高級品とわかるカーペットが敷かれている。周りの貴族が珍獣を見るかのようにヒューとアリスを見つめているのが2人にもはっきりとわかる。


「ここまで見られると緊張してくるね。」


ヒューがアリスに小声でささやく。


「それはそうだがここで小声とはいえ話す度胸があるヒューのほうが恐ろしいぞ。初めての夜会だろう?」

「え、だめだったかな。別の夜会の映像をエマに見せてもらったけど普通に話しながら入場してたよ。」

「だめではないが・・・。はあ、ヒューは将来大物になるだろうな。」

「ふふん。あ、中央付近で止まればいいかな。」

「そうだな。分かっていると思うが止まったら喋るなよ。」

「もちろんだよ。」


こうして喋りながらヒューとアリスは中央に着く。中央にはカーペットが丸く大きめにひかれており、そこに4組の男女が集まった。そして、その1組のうちに白に近い銀色の美しいドレスを着たアナスタシアがいた。白いドレスにはいたるところに銀糸で刺繍がしてあり細かな宝石が縫い付けられている。見る瞬間瞬間で会場のはるか上空にあるシャンデリアの光を反射し、アナスタシアの美しいしぐさも相まって会場にいるものの視線を集めていた。その隣にいる男もアナスタシアが受ける視線に負けぞ劣らずの視線を受ける。男は反対にこの会場の誰よりも地味ではないかと思うような黒いジャケットとズボン、白いシンプルなシャツであったがかえってその簡素な装いが男のこの世のものとは思えない美貌を際立たせていた。しぐさも美しく、特に女性のうっとりとした視線が男へ絡みつく。


ヒューがアリスに向けていた視線を正面に向けるとアナスタシアとばちりと目が合った。ヒューはアナスタシアの美しさに見惚れて目を離すことができない。そんなヒューの思いを知ってか知らずかアナスタシアはヒューに向かってにっこりと話しかける。ヒューはぎこちない笑みをにこりと向けたがそれを見たか見ていないかどちらともいえない瞬間にアナスタシアははっきりとヒューの目ではない正面あたりをはっきりと見つめた。


「お集りの皆様。わたくしはこの夜会の主催、アレクサンドル・デ・ゴルーチェ公爵が娘、アレクサンドル・ゴルーチェ。まもなく父が参ります。それまでしばしご歓談くださいませ。」


あたりは少し静寂が訪れたままであったが、しばらくすると次第にざわめきが会場に戻った。そして、中央のカーペットではアリス・ヒューのペアとアナスタシア・男のペアを除いた2組が談笑し始めた。その様子を見て、アナスタシアは男を連れアリスとヒューのもとに近づいてくる。その姿はエスコートをされているというより、従者を引き連れた女王のようであった。


「お久しぶりですわ。ヒュー様。」


ヒューは慌ててお辞儀をして返事をする。


「お久しぶりです!アナスタシア様。先日は話し掛けてくださりありがとうございました。今のところ順調に楽しく学園生活を送っております。」


ヒューの元気そうな姿にアナスタシアは微笑みを返す。


「それはよかったですわね。わたくしはいつも学園にいるというわけではありませんが、見かけたら気軽に話しかけてくださいまし。そして、初めましてですわね。アリス様。噂はかねがね聞いておりまして、話してみたいと思っておりました。」


アリスは軽くお辞儀する。しかし、惜しくもそれは貴族のお辞儀ではなくアリスの身に沁みついた軍人のお辞儀であった。


「それは光栄です。アナスタシア様。私のようなものを知っていただいていると思ってもいませんでした。」

「もちろん知っておりますわよ。<宇宙の英雄>様。」

「ははっ、それは少し過剰な評価というものですよ。特に<宇宙の>という部分はね。」


2人は笑いあう。そんな2人を所在無さげに見つめるヒュー。そして気が付いたように後ろの男に目を向けた。


「あの、初めまして。僕はアぺイロン出身のヒューといいます。」


そんなヒューを男は少し目を見開いて見つめる。そして男が口を開こうとしたその時。


「ライオネルトですわ。私の従者です。」


男、ライオネルトが口を開くのを遮るようにアナスタシアが話に割り込む。これには先程まで談笑していたアリスを含む3人とも驚きの表情を見せた。


「失礼いたしました。いずれ知ることになると思いますが彼は少し複雑な事情を抱えておりまして今はお話にならないほうがよろしいかと。」

「あ、え、そんなんですね。アナスタシア様。ライオネルト様。こちらこそ失礼いたしました。」


アナスタシアは笑顔を返し、ライオネルトは軽くお辞儀をした。


その時、大きな扉の前から大声が聞こえる。


「ゴルーチェ公爵、入場でございます!」


あたりがざわめく。


「大きな扉のほうから?」

「そんなこと許されていいのかしら。いくら公爵といえども3大公爵の1人に過ぎないわ。」

「いやでも、ゴルーチェ公爵の権力はその中でも絶大だ。」

「今日も沈黙の公爵はいらっしゃらなかったし、ノルノワンネ公爵夫人も本日はいらっしゃらない。」

「ノルノワンネ夫人か。どうするんだろうな。旦那がなくなってもう長いが夫人が公爵代理のままだ。」


あたりの有象無象だけでな中央のカーペットにいる人物、すなわち他国からの招待客もひそひそと話し始める。そのうちの1組、本部でヒューとアリスとも出会っている眼鏡が特徴的な女性も隣の中年の男と話し始める。男はおそらく老女の息子であろう。鼻の形がそっくりである。そしてもう1組、こちらは初めて見る顔であるがそちらの2人もひそひそと互いに耳打ちをしあっている。アリス・ヒュー・アナスタシア・ライオネルトは談笑をやめ、全員が公爵が入ってくるであろう扉を見つめる。


扉がゆっくりを開く。そこにはヒュとアリスが本部であったときより着飾ったゴルーチェ公爵、そして、その横で公爵に腕を絡ませているのはメリハリのある体つきの妖艶な美女であった。


書いていてアナスタシアの口調がよくわからなくなってしまいました。

時間があるときに修正すると思います。

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