10 クローン
「ソフィアさん!ミハイルさん!今帰ったよ!それでね!先生が起きたんだ!あと宇宙に行けるかも!」
「まあ!よかったわね。後ろの丸いのが先生よね?前はしゃべらなくなるまで私たちに姿を見せてくれなかったけど今回は見せてくれるのね。」
「まあな、今回は特別だぜ★」
「あらあら、嬉しいわ。それで、宇宙に行けるってどういうことかしら?」
「あ!ちょっとまって。なんかね、アリスさんが昨日話忘れていた話したいことがあるんだって気になるからそれ聞いてからでいい?」
「何かしら?昨日いろんなことを教えてもらったけれど。」
家にいる全員の視線がアリスのほうを向いた。アリスはさらっとしゃべり始めた。
「昨日伝え忘れていましたが、私は人の腹から生まれてきていません。クローンといって、とある人の遺伝子情報からうまれました。簡単に言えばとある人に双子の片割れを後付けしたようなものです。私の遺伝子情報元は私がうまれる10年ほど前に亡くなっていましたが。私の惑星では保守的な方には疎まれていますが、今若者の小遣い稼ぎといして、クローンにすることを承知で行う遺伝子情報提供を行うほど気軽なものです。」
アリスが語り終えるとミハイルがつぶやくようにアリスへ問いかけた。
「それはこの惑星に何か悪影響を及ぼすのか。」
「いいえ、なにも。」
「ならいい。」
それにソフィア、ヒュー、先生と続いた。
「まあ!母親のおなかからではなく生まれる方法があるなんて、宇宙はすごいわね。」
「うん!アリスさんがいたことあんまりよくわかんなかったけど、宇宙はすごいんだよ!」
「俺はそれについては、人間じゃないし関係ないからどうでもいいし。あ、でさ。宇宙に行ける方法だけど、宇宙ビーコンっての作って同盟に助けを呼ぶんだ。ま、最低でも8年はかかるけどな!で、助けを呼ぶのにエネルギーがいるからさ。この家、エネルギー供給装置あるだろ?毎日の余りを俺にくれないか?」
「先生!僕が話そうとしてたのに!」
「エネルギー?余りならもちろんかまわないわよ。ねえミハイルさん?」
「ああ、好きに持っていけ。」
「ありがとさん!お2人とも。」
先生は赤い目を光らせながら体を上下に揺らした。宇宙に帰る方法を聞いたソフィアは少し涙ぐんでいた。
「よかったわね。アリスさん、宇宙に帰れるじゃない!あちらにご両親でもお友達でも恋人でも、大切な人がいるでしょう?8年は長いけど、もう一度きっと出会えるわ。」
その言葉を聞いてアリスは少し笑みを浮かべて口を開いた。
「はい。ひとり。どうしてもしゃべりたい人がいるんです。帰ったらすぐにその人に会いに行きます。そのために、8年間という長い間エネルギーを頂戴します。」
「遠慮なくもっていって。急な別れは悲しみしか残さないわ。これは経験談よ。」
「肝に銘じます。」
こうして、2人と一つの機体は宇宙ビーコンを完成させた。2人は日常を送りながらビーコンにエネルギーをため続けた。気づけば長い月日がたち8年、それを超えて10年がたった。




