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第83話 実技杯本戦前夜、ヒロインたちが俺の部屋に来すぎる

実技杯本戦前夜。


 俺は、早めに寝るつもりだった。


 本当に、そのつもりだった。


 明日は大型可変迷宮での本戦。

 複数チーム同時進行。

 標識回収、要救助者保護、魔物制圧、罠解除。

 そして、内容不明の最終課題。


 どう考えても、体調管理が最優先だ。


 ユリアナ先輩にも言われた。


 リリアにも言われた。


 セリカさんには「寝ろ」と短く命令された。


 ノエルには「睡眠不足はリンク精度を落とす」と実験結果みたいに言われた。


 ミュレアには「寝る前の菓子は妾の分も用意せよ」と意味不明な要求をされた。


 だから俺は、ギルド宿舎の自室で、確認票と明日の持ち物を整理し、ランプを少し暗くして、寝る準備をしていた。


 机の上には、俺の本人才能意思確認票が置いてある。


 才能名:未定。

 仮称:好感度限界突破。

 機能候補:才能覚醒リンク。

 本人意思:誰かを支配する力ではなく、本人の名前と才能と意思を支える力にしたい。


 まだ、正式な名前は決まっていない。


 でも、それでいい。


 未定は空白ではない。


 何度も言ってきたことを、今度は自分に言い聞かせる。


「よし……寝よう」


 そう呟いた瞬間、扉が控えめに叩かれた。


 嫌な予感、というより、もう慣れた予感だった。


「レン。起きていますか?」


 リリアの声だった。


     ◇


 扉を開けると、リリアが小さな籠を持って立っていた。


 白い髪をゆるくまとめ、いつもの制服ではなく、宿舎内用の柔らかい上着を羽織っている。


 その姿が妙に家庭的で、俺は一瞬だけ言葉に詰まった。


「……リリア」


「はい。リリアです」


 彼女は少し微笑む。


「名前確認、できていますね」


「はい。大丈夫です」


「よかったです」


 リリアは籠を少し持ち上げた。


「明日のために、温かい飲み物を持ってきました。眠りやすくなる香草茶です」


「ありがとうございます。でも、わざわざ?」


「はい。レンは考え始めると寝ない気がしたので」


「信用がない」


「信用しています。だから、心配しています」


 そう言われると何も返せない。


 俺はリリアを部屋へ招いた。


 彼女は机の上に香草茶を置き、確認票の方をちらりと見る。


「才能名、まだ未定のままですね」


「はい。明日までに決めようかとも思ったんですが」


「決めなくていいと思います」


 リリアはすぐに言った。


「本戦だからといって、無理に名前を決める必要はありません。レンがどう使いたいかは、もう書けていますから」


「……そうですね」


「それに」


 リリアは少しだけ顔を赤くした。


「私は、その力の名前が決まっていなくても、レンの力だと分かっています」


 その言い方が、妙に胸に来た。


 レンの力。


 セリカさんもそう言っていた。


 公的な分類名には向かないかもしれない。


 でも、今の俺には少し救いになる呼び方だった。


「ありがとうございます、リリア」


「はい」


 リリアが香草茶を注いでくれる。


 湯気と一緒に、甘く穏やかな香りが立った。


 その時、また扉が叩かれた。


 今度は遠慮が少ない。


「レン、起きてる?」


 セリカさんだった。


 リリアと俺は顔を見合わせる。


「……どうぞ」


 扉を開けると、セリカさんが木剣を一本持って立っていた。


 赤い髪を軽く結び、動きやすそうな訓練着姿だ。


 夜なのに、なぜ木剣。


「寝る前に剣の稽古ですか?」


「違うわよ」


 セリカさんは木剣を俺へ差し出した。


「これ、持っておきなさい」


「俺が?」


「お守りみたいなもの」


「木剣が?」


「落ち着くでしょ。持ってるだけで」


 俺は木剣を受け取った。


 ずっしりと重い。


 セリカさんが毎日振っている木剣とは別の、少し短めのものだった。


「明日は、たぶん怖くなる場面があるわ」


 セリカさんはまっすぐ言った。


「でも、怖くなった時に手元に何かあると、少し戻れる。あなたは考えすぎるから」


「……ありがとうございます」


「振らなくていい。無理に前に出なくてもいい。ただ、握って、自分がここにいるって確認するため」


 そういう意図だったのか。


 俺は木剣の柄を握った。


 硬い感触。


 重さ。


 たしかに、意識が少し今に戻る。


 リリアが微笑んだ。


「セリカさんらしいお守りですね」


「香草茶よりは雑だけどね」


「どちらも大事です」


 セリカさんは少し照れたように顔をそむける。


 その時、机の上の通信水晶が光った。


『ふむ。夜の訪問、二人目か』


 ミュレアだった。


「ミュレア、なぜ今つながるんですか」


『妾は見守り担当じゃからな』


「見守りの範囲が広すぎます」


『明日は本戦じゃ。今宵のレンの様子を確認するのは当然であろう』


 通信水晶の向こうで、ミュレアは妙に楽しそうだった。


『それに、リリアとセリカがレンの部屋におる。これは見逃せぬ』


「言い方!」


 リリアの頬が赤くなる。


 セリカさんも眉を寄せた。


「ミュレア、余計なことを言うと明日の応援菓子なくなるわよ」


『それは困る』


「なら黙る」


『むう……』


 黙りきれていないが、少し静かになった。


 その直後、また扉が叩かれた。


 今度は軽い音。


「レン。負荷測定具、持ってきた」


 ノエルである。


「……どうぞ」


 扉を開けると、ノエルが小型魔道具を両手に抱えて立っていた。


 夜なのに目が冴えている。


 これはまずい。


 研究者の顔だ。


「ノエル。まさか今から検査を?」


「短時間」


 ノエルは真顔で言った。


「本戦前に、才能覚醒リンクの負荷基準を確認しておきたい。睡眠前だから、安静時データが取れる」


「今ですか」


「今」


 セリカさんが即座に言う。


「駄目」


 ノエルは少しだけ不満そうにする。


「短時間」


 リリアも首を横に振った。


「レンはもう休む準備をしていました」


「なら、さらに正確な安静時データ」


「ノエルさん」


 リリアの声が柔らかくなる。


 ノエルは一瞬で視線を逸らした。


「……五分」


「三分」


 セリカさんが言う。


「三分では測定精度が」


「二分」


「増えてない」


「なら、測らない」


 ノエルは少し考えた。


「三分で妥協」


 何の交渉だ。


 俺は苦笑した。


「三分だけなら」


「レンが許可した」


 ノエルの目が光る。


 しかし、その瞬間、廊下から凛とした声がした。


「許可があっても、深夜の能力測定は制限が必要です」


 ユリアナ先輩だった。


 扉の前に、書類を抱えたユリアナ先輩が立っている。


 完璧に整った姿勢。


 この時間でもまったく乱れがない。


 すごい。


 いや、なぜ来た。


「ユリアナ先輩まで」


「明日の規則確認です。長居する予定はありませんでしたが……」


 彼女は部屋の中を見た。


 リリア。

 セリカさん。

 ノエル。

 通信水晶のミュレア。

 そして俺。


 少しだけ沈黙した。


「……想定より集まっていますね」


『ハーレム会議じゃな』


「ミュレア」


 俺、リリア、セリカさんの声が重なった。


 ノエルだけが真顔で言う。


「実態としては本戦前作戦会議」


「ノエル、それも少し違う気がします」


 ユリアナ先輩は咳払いし、部屋に入ってきた。


「深夜の長時間滞在は規則上問題があります。したがって、十分以内に解散しましょう」


「十分」


 ノエルが小さく呟く。


「測定時間が」


「ありません」


 ユリアナ先輩が即答した。


「本日は測定ではなく、明日の確認です」


 ノエルは少しだけ肩を落とした。


 だが、魔道具を片付けない。


 まだ諦めていない顔だ。


     ◇


 部屋が狭くなった。


 もともと一人用の客室だ。


 椅子は二つしかない。


 リリアが一つに座り、ユリアナ先輩がもう一つを辞退し、セリカさんが壁際に立ち、ノエルが床に座りかけてリリアに止められた。


「ノエルさん、床は冷えます」


「大丈夫」


「駄目です」


 リリアは自分の椅子を少しずらし、ノエルを半分座らせる。


 二人で一つの椅子に無理やり座る形になり、ノエルは真顔で言った。


「距離が近い」


「はい。少し我慢してください」


「リリアさんは温かい」


「そ、そうですか?」


 リリアが少し赤くなる。


 セリカさんが呆れたように言った。


「何の会なの、これ」


『ハーレム会議じゃ』


「ミュレア」


『言いたかっただけじゃ』


 ミュレアが楽しそうだ。


 俺は額に手を当てた。


「これ、誰かに見られたら完全に誤解されますよね」


 セリカさんが即答する。


「されるわね」


 ノエルも言う。


「既にされてる可能性」


 ユリアナ先輩が真面目に続ける。


「明日の本戦前に不適切な噂が広がると困ります。十分以内に解散する理由が増えました」


「本当にすみません」


「レン様が謝ることではありません」


 リリアが言った。


「みんな、レンが心配で来ただけですから」


 その言葉で、部屋が少し静かになった。


 そうなのだ。


 みんな、それぞれ理由は違う。


 香草茶。

 木剣。

 測定具。

 規則確認。

 通信越しの茶々。


 でも、根っこにあるのは、たぶん心配だ。


 俺が明日、無理をするのではないか。

 自分の力に飲まれるのではないか。

 第四の系統に名前や才能名を揺らされるのではないか。


 だから来てくれた。


 前世の俺なら、こんなことは絶対になかった。


 誰かが自分の部屋に来るなんて、緊張と不安の種でしかなかった。


 でも今は、少し違う。


 狭い部屋に人が多すぎて落ち着かない。

 誤解されそうで胃が痛い。

 ミュレアが余計なことを言う。


 それでも、嫌ではなかった。


「……ありがとうございます」


 俺が言うと、リリアが微笑んだ。


「はい」


 セリカさんは少しだけ顔をそむける。


「別に」


 ノエルは真顔で頷く。


「必要」


 ユリアナ先輩は静かに言う。


「明日の戦力維持のためです」


『素直でない者が多いのう』


 ミュレアが言うと、セリカさんが通信水晶を睨んだ。


「誰のこと?」


『未定じゃ』


「便利に逃げたわね」


     ◇


 ユリアナ先輩が明日の規則を簡潔に確認した。


 本戦中、才能覚醒リンクの使用は短時間。

 本人意思を無視した能力干渉は禁止。

 異常を感じた場合は即時申告。

 才能名欠落が起きた場合は、本人の言葉を優先して確認。

 レン自身の名称固定と才能名未定欄も、定期的に確認。


「レン様は、自分の状態確認を後回しにしないでください」


「はい」


「本当に」


「はい」


「返事が軽い場合、セリカ様に止めていただきます」


「任せて」


「逃げ場がない」


 俺が言うと、リリアが少しだけ笑った。


「逃げ場ではなく、安全網です」


 そう言われると、悪くない気がする。


 ノエルが負荷測定具を机の端に置いた。


「明日、戦闘前に簡易測定」


「それはいいんですか?」


 俺がユリアナ先輩を見ると、彼女は頷いた。


「戦闘前の短時間測定なら許可します。今夜は駄目です」


「分かった」


 ノエルは素直に引いた。


 明日の測定許可を得たからだろう。


 リリアは香草茶のカップを俺へ渡した。


「今夜は、これを飲んで寝てください」


「はい」


 セリカさんは木剣を机の横に立てかけた。


「怖くなったら握る」


「はい」


「でも、振り回さない」


「部屋で振り回しません」


 ミュレアが通信越しに言う。


『妾からは勝利宣言じゃ』


「お願いします」


『明日、レンは勝つ』


 妙に力強い声だった。


『ただし、勝ち方を間違えるな。そなたの力は、誰かを支配するためのものではない。名と才と意思を支えるためのものじゃ』


 部屋の空気が少し引き締まる。


 ミュレアは、こういう時だけ本当に核心を突く。


『そして、妾の名も輝かせよ』


「最後に自分を入れましたね」


『当然じゃ。妾は見学者欄に正式登録されておる』


 そうだった。


 制限付き見学者、ミュレア・ノクターン。


 甘味要望一品まで。


『その余計な欄は忘れよ』


「忘れません」


 リリアがきっぱり言った。


     ◇


 そろそろ解散、というところで、机の通信水晶が別の光を帯びた。


 王宮側の通信だ。


 ユリアナ先輩がすぐに姿勢を正す。


 水晶の中に、アリシア王女の声が響いた。


『夜分に失礼します。レン様、皆様、少しだけよろしいでしょうか』


「アリシア様」


 俺たちは自然に居住まいを正した。


 部屋の人口密度が高すぎることに、今さら気づいて少し焦る。


 アリシア様の声は穏やかだった。


『明日の本戦、王宮側も結界補助として見守ります。第四の系統の反応が強まる可能性もありますので、どうか勝利より無事を優先してください』


「はい」


『レン様』


「はい」


『あなたがレン・クロフォードであることを、忘れないでください。能力名が未定でも、才能が揺れても、周囲の声が増えても、まずあなたの名前を確認してください』


 胸の奥に、静かに言葉が沈む。


 アリシア様もまた、俺の名前を支えてくれている。


「ありがとうございます」


『そして、皆様も。どうかお互いの名前を呼び合ってください。それが、きっと明日の力になります』


 リリアが頷く。


「はい」


 セリカさんも。


「分かったわ」


 ノエル。


「了解」


 ユリアナ先輩。


「承知しました」


 ミュレアが少し偉そうに言う。


『王女にしては良い助言じゃ』


『ありがとうございます、ミュレア様』


『素直に返されると調子が狂うな』


 アリシア様の小さな笑い声が聞こえた。


『それでは、長居は控えます。レン様、今夜は必ずお休みください』


「はい」


 通信が切れる。


 部屋に少しだけ余韻が残った。


 王宮からも見守られている。


 本当に、大きなことになった。


 前世で陰キャ非モテだった俺が、王女から「無事を」と言われる日が来るとは。


 人生、いや異世界転生、何が起こるか分からない。


     ◇


 最後に、全員で名前確認をすることになった。


 ユリアナ先輩の提案だった。


「本戦前夜の名称固定リンク確認です。短く行いましょう」


 リリアが俺を見る。


「レン」


「はい。リリア」


 セリカさん。


「レン」


「はい。セリカさん」


 ノエル。


「レン」


「はい。ノエル」


 ユリアナ先輩。


「レン様」


「はい。ユリアナ先輩」


 ミュレア。


『レン』


「はい。ミュレア」


 水晶の向こうから、アリシア様の通信が一瞬だけ再接続された。


『レン様』


「はい。アリシア様」


 名前が部屋の中に満ちる。


 俺も、一人ずつ呼び返した。


「リリア」


「はい」


「セリカさん」


「はい」


「ノエル」


「はい」


「ユリアナ先輩」


「はい」


「ミュレア」


『うむ』


「アリシア様」


『はい』


 胸の奥で、細い光が何本も繋がる感覚があった。


 いつもの名称固定リンク。


 でも、今日は少し違う。


 温かくて、強い。


 好感度限界突破が静かに反応する。


名称固定リンク:強化

深層信頼連携:高安定

才能覚醒リンク:本戦時、上限解放の可能性あり

注意:感情過負荷に警戒してください


 上限解放。


 その文字に、心臓が跳ねた。


「レン?」


 リリアが気づく。


「表示が出ました」


「内容は?」


 ノエルが身を乗り出す。


「才能覚醒リンク。本戦時、上限解放の可能性あり。感情過負荷に警戒、と」


 部屋の空気が変わった。


 上限解放。


 いかにも強そうな言葉だ。


 アクセス数狙いなら、ここでテンションが上がるやつだ。


 でも、実際に自分の体に関わるとなると、怖い。


 セリカさんがすぐに言った。


「無理に狙わない」


「はい」


 リリアも。


「上限解放より、レンの無事が大事です」


「はい」


 ノエルは記録板を取り出しかけ、ユリアナ先輩に見られて止めた。


「……明日記録」


「はい」


 ユリアナ先輩は真剣な顔で言った。


「上限解放は、必要時のみ。条件不明のまま使用を狙うのは禁止です」


「分かりました」


 ミュレアが静かに言う。


『力は、開けばよいというものではない。扉は、開く時を間違えれば中身も外も壊す』


「はい」


『だが、必要な時が来たら逃げるな』


「……はい」


 相変わらず厳しい。


 でも、その厳しさがありがたかった。


     ◇


 十分どころか、少し過ぎていた。


 ユリアナ先輩がそれに気づき、きっぱり言った。


「解散しましょう」


「はい」


 最初にノエルが魔道具を抱えて立ち上がる。


「レン、寝ること」


「はい」


「夢の中でリンク試さないこと」


「どうやって?」


「念のため」


 次にユリアナ先輩が書類を整える。


「明朝、集合時刻に遅れないように。なお、今夜は追加作業禁止です」


「はい」


 セリカさんは扉の前で振り返った。


「怖くなったら、木剣握って名前確認。いい?」


「はい」


「よし」


 リリアは最後に香草茶のカップを片付けながら、俺を見た。


「レン」


「はい」


「明日、勝てなくても、レンはレンです」


 その言葉に、胸が詰まった。


「はい」


「でも、勝てるように一緒に頑張りましょう」


「はい」


 リリアは柔らかく笑って、部屋を出た。


 通信水晶のミュレアも、最後に一言だけ残した。


『寝よ、レン。明日は主人公らしく忙しいぞ』


「主人公らしく、は余計です」


『余計ではない。大事じゃ』


 通信が切れる。


 部屋は急に静かになった。


 さっきまで人が多すぎて息が詰まりそうだったのに、いなくなると少し寂しい。


 勝手なものだと思う。


 俺は机の横に立てかけられた木剣を握った。


 硬い感触。


 リリアの香草茶の香りが、まだ部屋に残っている。


 机の上には、俺の確認票。


 才能名は未定。


 でも、名前はある。


「レン・クロフォード」


 小さく呟く。


 ちゃんと返事ができる。


 俺はランプを消した。


 明日、何が起こるか分からない。


 第四の系統がどう動くかも分からない。


 上限解放が何なのかも分からない。


 でも、一つだけ分かる。


 俺は一人ではない。


 名前を呼んでくれる人たちがいる。


 それなら、たぶん進める。


 前世で陰キャ非モテだった俺には信じられないくらい、賑やかで、心配性で、少し照れくさい仲間たちと一緒に。


 明日の本戦へ。

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