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第29話 天才魔導師生徒、俺の外れスキルに食いつく

 王立学園二日目の朝は、初日よりもずっと視線が多かった。


 昨日の実技適性試験のせいだ。


 三分制限の魔力異常点を二十秒で全部見つけた。

 しかも試験用ではない旧研究棟方面の異常まで指摘した。


 その結果、俺は学園内でどう扱われたか。


 答えは簡単だ。


 珍獣である。


「……見られてますね」


 俺は本校舎へ続く並木道を歩きながら、小さく呟いた。


 隣のセリカさんが即答する。


「昨日あれだけやったら、見られるわよ」


「やりたくてやったわけでは」


「分かってる。でも結果は結果」


 正論である。


 リリアは白いケープの端を押さえながら、周囲の視線を気にしていた。


 彼女も目立っている。


 昨日の治癒術試験で、擬似損傷水晶をほぼ完璧に安定化させた。

 聖力制御、極めて良好。


 治癒術科の学生たちの間では、もう噂になっているようだった。


「あの白い子、昨日の試験の」


「治癒術研修生って聞いたけど、上級生より制御が綺麗だったって」


「教会の関係者?」


「いや、ギルド推薦らしい」


 教会の関係者、という言葉に、リリアの肩がわずかに揺れた。


 俺が声をかける前に、セリカさんが自然に一歩外側へ出た。


 視線を遮るように。


「大丈夫?」


 セリカさんの声は、いつもより少し柔らかかった。


「はい。ありがとうございます」


 リリアは小さく頷く。


「でも、慣れないといけませんね」


「慣れなくていい視線もあるわよ」


「それは、そうですね」


 リリアが少しだけ笑う。


 この二人のやり取りも、最初の頃とは変わった。


 互いに牽制するだけではなく、自然に支え合う瞬間が増えている。


 俺はそれを見て、少し嬉しくなった。


 すると、セリカさんがこちらを見る。


「レン、何か言いたそうね」


「いえ、仲良くなったなと」


「朝からそれ?」


「事実なので」


 リリアが微笑む。


「私は嬉しいです」


「リアまで」


 セリカさんは少し照れたように顔を逸らした。


 その時、頭の奥に声が響いた。


『朝から仲睦まじいのう』


 ミュレアだ。


 今日も絶好調である。


「おはようございます」


『うむ。妾はまだ甘いものを待っておるぞ』


「第一声がそれですか」


『大事じゃと言ったであろう』


「学園の売店を見る余裕があったら買います」


『必ずじゃぞ』


 リリアが小声で言う。


「ミュレアさんですか?」


「はい。甘いものの催促です」


 セリカさんが呆れる。


「封印管理中の魔王令嬢とは思えないわね」


『聞こえておるぞ、赤き剣姫。封印管理中だからこそ甘いものが必要なのじゃ』


「理屈になっているようでなってない」


 ミュレアの軽口に、リリアも少し笑った。


 昨日より顔色がいい。


 それだけでも、少し安心する。


 だが、学園の空気は甘くなかった。


 校舎の入口近くで、レオン・バルツァーがこちらを見ていた。


 今日も取り巻きが二人いる。


 彼は昨日ほど露骨に笑ってはいない。


 だが、目は完全にこちらを観察していた。


レオン・バルツァー

状態:警戒、対抗心、探り

備考:レンを侮る対象から監視対象へ変更しています


 監視対象。


 面倒な分類に入ったらしい。


 レオンは近づいては来なかった。


 ただ、軽く会釈だけして踵を返す。


 セリカさんが低く言う。


「絡んでこないのも逆に嫌ね」


「同感です」


「何か考えてる顔だったわ」


「俺もそう見えました」


 リリアが静かに言う。


「気をつけましょう」


 俺たちは頷き、校舎へ入った。


     ◇


 午前の予定は、三人別々だった。


 俺は魔力感応基礎。

 リリアは治癒術科の聖力制御演習。

 セリカさんは剣術課程の動作確認と模擬戦見学。


 本当は三人で行動したかったが、学園内で自然に調査するには、それぞれの課程に入る必要があるらしい。


 別行動は不安だ。


 特にリリアは、教会関係者に目をつけられる可能性がある。


 だが、リリア本人は落ち着いていた。


「大丈夫です。無理に誰かと話し込まないようにします」


「何かあればすぐ合図を」


「はい」


 セリカさんも言う。


「私の方は訓練場だから、何かあればすぐ動けるわ。レンも、自分だけで行かないこと」


「はい」


「本当に?」


「本当に」


「じゃあ、授業中に危険が見えても、まず先生に言う」


「はい」


「旧研究棟方面に何か出ても、一人で見に行かない」


「はい」


「レオンに煽られても乗らない」


「はい」


「王女殿下に呼ばれても、勝手に二人きりにならない」


「はい……え?」


 最後だけ少し違わないか。


 セリカさんは真面目な顔だった。


 リリアも静かに頷いている。


「レンは、気づくと重要人物と話していることがあります」


「好きでそうしてるわけじゃありません」


「分かっています。でも、結果的に」


「はい」


 結果的に、は強い。


 俺は抵抗を諦めた。


 それぞれの教室へ向かう。


 廊下の途中で分かれる時、リリアが少しだけ振り返った。


「レン」


「はい」


「無理をしないでください」


「リリアも」


「はい」


 セリカさんも剣術棟へ向かいながら手を振る。


「昼に食堂で合流ね」


「分かりました」


 三人が別方向へ進む。


 その瞬間、妙に心細くなった。


 いつの間にか、二人が隣にいるのが当たり前になっていたらしい。


 俺は小さく息を吐いて、魔力感応基礎の教室へ向かった。


     ◇


 魔力感応基礎の教室は、魔術棟の二階にあった。


 教室と言っても、前世の学校とはまったく違う。


 円形に配置された机。

 中央には魔法陣が刻まれた石台。

 壁には水晶と金属板が並び、天井からは小さな魔力灯が吊るされている。


 すでに十数人の学生が座っていた。


 俺が入ると、視線が集まる。


 昨日の試験のせいで、完全に顔を覚えられている。


「ギルド推薦の」


「感応試験で全部当てた人」


「クロフォードって名前だったよね」


 聞こえている。


 聞こえているが、なるべく気にしない。


 俺は空いている後ろの席へ座ろうとした。


 すると、前方の席から声が飛んだ。


「そこ、感応の授業だと一番見づらいよ」


 見ると、一人の女子生徒が手を振っていた。


 灰色がかった銀髪を短く切りそろえ、眼鏡をかけている。

 制服の上着は少し着崩され、胸元には魔術研究科の徽章。


 机の上には、分厚いノートと小さな魔道具が山のように積まれている。


ノエル・アシュフォード

役職:王立学園魔術研究科二年

状態:好奇心、興奮、観察

備考:レンの感知能力に強い興味を持っています


 来た。


 天才魔導師生徒。


 昨日の表示に出ていた人物だろう。


 俺は慎重に答える。


「ありがとうございます。でも、後ろで大丈夫です」


「もったいない。中央の魔力流を見たいなら、斜め前の席が一番いい。昨日あれだけ見えたなら、今日の授業つまらないかもしれないけど」


「いや、基礎は大事なので」


「うん、その返しは好感度高い」


 好感度。


 その単語に俺は一瞬固まった。


 ノエルは首を傾げる。


「あれ、何か変なこと言った?」


「いえ。少し身に覚えのある単語だったので」


「好感度?」


「はい」


「面白いね。まあ座りなよ。私はノエル・アシュフォード。魔術研究科二年。たぶん君より一つ上」


「レン・クロフォードです」


「知ってる。昨日の試験、見てた」


 ノエルは目を輝かせている。


「君、どう見えてるの? 魔力の色? 線? 点? 音? 匂い? それとも文字情報?」


 いきなり核心に近い。


「ええと」


「待って。答える前に確認。君は自分の能力をどこまで言語化できてる?」


「ほとんどできてません」


「最高」


「最高?」


「未解析の特殊感知能力ほど研究価値が高いものはないから」


 研究対象にされそうな気配がする。


 俺は席に座りながら、距離感を間違えないように気をつけた。


 ノエルの表示を見る。


ノエル・アシュフォード

好感度:18

状態:研究興味

備考:恋愛的関心は皆無。未知能力への興奮が大半です


 よかった。


 恋愛的関心はない。


 いや、安心していいのか分からない。

 研究対象として見られるのもそれはそれで怖い。


 ノエルは小声で続ける。


「昨日、君は試験用じゃない地下魔力線の異常を見つけたでしょ」


「はい」


「あれ、私も前から少し気になってた」


「ノエルさんも?」


「ノエルでいいよ。敬称つけられると実験前に距離を置かれた気がする」


「実験前提ですか」


「冗談半分」


「半分」


 半分は本気らしい。


 ノエルはノートをめくり、簡単な学園地図を見せてきた。


「旧研究棟、聖属性魔道具研究室、訓練場、資料塔。この四つを結ぶ魔力線が、半年前からちょっと変。先生に言ったけど、古い設備だからで流された」


「半年前」


 アリシア王女も半年ほど前から違和感を抱いていた。


 時期が一致する。


 俺の表示が反応する。


ノエルの観測記録

信頼度:高

関連:旧研究棟地下魔力線

注意:本人は不正の全容を知らない


 ノエルは味方候補だ。


 少なくとも、旧研究棟の異常に気づいている。


 ただし、全部は知らない。


「ノエルは、旧研究棟に入ったことがありますか?」


「あるよ。研究資料の整理で一度だけ。地下には入れなかったけど」


「地下があることは知ってるんですか」


 ノエルは口元を少し上げた。


「公式にはない」


「公式には」


「古い建物に公式にない地下室があるのは、王立学園あるあるだよ」


「嫌なあるあるですね」


「私は好き」


 この人、かなり癖が強い。


 だが、情報は貴重だ。


 授業開始の鐘が鳴り、魔力感応基礎の教師が入ってきた。


 中年の男性教師で、名前はグラント先生。


 表示は普通だった。


グラント

役職:魔力感応基礎担当

状態:好奇心、職務意識

備考:レンの能力を授業内で確認したいが、公平に扱うつもりです


 公平。


 ありがたい。


 授業は、基礎魔力の流れを水晶で確認するところから始まった。


 学生たちは順番に水晶へ手をかざし、魔力の揺れを読み取る。


 俺の番になると、教室の空気が少し変わった。


 またか。


 俺は水晶へ手をかざす。


水晶:基礎感応用

内部魔力:安定

隠しノイズ:微弱

原因:隣接魔術実験室からの漏れ


 見えてしまう。


 基礎どころか、隣の部屋のノイズまで。


 俺は慎重に言った。


「水晶は安定しています。ただ、隣の実験室から微弱なノイズが入っています」


 グラント先生が眉を上げた。


「隣の実験室?」


「はい。たぶん、風属性の実験です」


 先生は廊下側の扉を開け、隣の部屋を確認した。


 少しして戻ってくる。


「……正解だ。隣で風属性の圧縮実験をしていた」


 教室がざわめく。


 俺は心の中で頭を抱えた。


 また目立った。


 ノエルは隣で、目をきらきらさせている。


「やっぱり文字情報型? いや、空間把握と意味変換が同時に起きてる? すごい。分解したい」


「分解はやめてください」


「能力の話」


「それでも怖いです」


 ノエルは楽しそうに笑った。


     ◇


 昼休み。


 俺は食堂でリリアとセリカさんと合流した。


 学園食堂は、ギルドの食堂とはまったく違った。


 広い。

 明るい。

 料理が綺麗。

 そして学生たちの会話が妙に上品。


 だが、上品だからといって平和とは限らない。


 こちらを見る視線は相変わらず多い。


 セリカさんは席に着くなり、水を飲んだ。


「剣術課程、なかなか面白かったわ」


「どうでした?」


「上手い子はいる。でも実戦経験は薄いわね。型は綺麗だけど、魔物の動きには対応しにくそう」


「セリカさん、完全に先生目線ですね」


「そう?」


 リリアが微笑む。


「セリカさんなら、教えられると思います」


「私が?」


「はい。実戦で何を見るべきか、よく分かっていますから」


 セリカさんは少し照れる。


「……考えたことなかったわ」


 リリアは治癒術科の授業について話した。


「聖力制御は丁寧でした。ただ、教会式の用語が多くて、少し胸がざわつきました」


「大丈夫ですか?」


「はい。先生は悪い方ではなさそうでした。でも、教会で聞いた言葉が出ると、身体が先に反応してしまって」


 リリアは自分の手を見た。


「でも、授業の途中で、教会式以外の治癒理論もあると知りました。ギルド式、魔術院式、地方の民間療法と組み合わせたものも」


「それは良かったですね」


「はい。教会だけがすべてではないと、改めて思えました」


 その顔は少し明るかった。


 学園に来たことは、リリアにとって怖いだけではないのかもしれない。


 俺はノエルの話をした。


「魔術研究科のノエルという先輩が、旧研究棟の異常に気づいていました」


 セリカさんが反応する。


「天才魔導師生徒?」


「たぶん」


 リリアも静かに聞く。


「どんな方ですか?」


「研究熱心です。俺の能力を分解したいと言っていました」


「分解?」


「能力の話らしいです」


「らしい、なのね」


 セリカさんが眉をひそめる。


「危なくない?」


「表示では、恋愛的関心は皆無で、研究興味が大半でした」


 言った瞬間、二人が微妙な顔をした。


「恋愛的関心は、聞いていません」


 リリアが言う。


「でも、確認したんですね」


 セリカさんが続ける。


「いや、見えたので」


「ふうん」


「そうですか」


 なぜか空気が少しだけ冷えた。


 俺は慌てて付け加える。


「旧研究棟の魔力線について、かなり有力な情報を持っています。半年前から異常があったらしいです。アリシア王女の話とも一致します」


 リリアはすぐに真剣な顔へ戻った。


「半年前」


「はい。先生に報告しても流されたそうです」


 セリカさんが言う。


「アリシア王女の報告と同じね。握り潰した人間がいる」


「旧研究棟管理担当のラゼル教授、聖属性魔道具研究室、このあたりが怪しいです」


 リリアが小さく頷く。


「放課後の見学で、何か分かるかもしれませんね」


 その時だった。


 食堂の入口付近で、小さな騒ぎが起こった。


 一人の女子生徒が、トレイを落としていた。


 スープが床にこぼれ、周囲の学生が驚いている。


 それだけなら、よくある事故だ。


 だが、俺のスキルが反応した。


小規模トラブル:発生

対象:治癒術科一年生

状態:聖力暴走前兆

原因:試作聖具の不適合

危険度:中


 来た。


 朝の表示にあった小規模トラブル。


 女子生徒は胸元を押さえ、苦しそうにうずくまる。


 周囲の学生がざわめく。


「どうしたの?」


「治癒術科の子?」


「先生を呼んで!」


 リリアが即座に立ち上がった。


「レン」


「試作聖具の不適合です。聖力暴走前兆」


 リリアの表情が変わった。


 教会の呪具を思い出したのだろう。


 だが、動きは止まらなかった。


「行きます」


「私も」


 セリカさんが周囲を警戒する。


 俺たちは女子生徒の元へ向かった。


 彼女の胸元には、小さな白いペンダントがあった。


 聖具らしい。


 だが、内部の魔力が乱れている。


試作聖具

表向き:聖力安定補助具

実態:過剰増幅欠陥あり

製造元:聖属性魔道具研究室

素材:低純度封印石片混入


 旧研究棟どころか、食堂で繋がった。


 俺は息を呑む。


「リリア、この聖具、外せますか? 過剰増幅しています」


「やってみます」


 リリアは女子生徒の前に膝をついた。


「聞こえますか。私はリア、治癒術研修生です。今から聖力を落ち着かせます」


 女子生徒は苦しそうに頷いた。


 リリアの白い光が、彼女の胸元を包む。


 だが、ペンダントがそれを弾いた。


 リリアの顔が少し歪む。


「……この感覚」


 リリアは小さく呟いた。


 自分に使われた呪具と似ているのだろう。


 俺は表示を読む。


「鎖の留め具部分に制御核があります。ただ、壊すと反動が来るかもしれません。まず光を弱めて」


「分かりました」


 リリアは聖力を細くした。


 強く押し込まず、糸のように流す。


 ペンダントの暴走が少し落ち着く。


 セリカさんが周囲へ言う。


「下がって。空間を空けて」


 学生たちが慌てて下がる。


 その時、ノエルが人混みをかき分けて走ってきた。


「何これ、聖具暴走?」


「ノエル」


「レン、見える?」


「制御核は留め具。素材に低純度封印石片が混じっています」


 ノエルの顔が一瞬で真剣になった。


「封印石片? 学園の試作聖具に?」


「はい」


「最悪」


 ノエルは小さな工具を取り出した。


「リアさん、聖力をあと三割弱められる?」


「できます」


「レン、核の向きは?」


「右斜め下。留め具の内側」


「分かった」


 ノエルは手早く留め具へ工具を入れた。


 リリアが聖力を細く流し、俺が制御核の状態を伝える。


「今、少し光りました。止めて」


「了解」


「次、左にずらして」


「こう?」


「はい。そこで固定」


 かちり、と音がした。


 ペンダントの光が消える。


 女子生徒の呼吸が楽になる。


 リリアがすぐに治癒の光を流した。


「もう大丈夫です」


 女子生徒は涙目でリリアを見た。


「あ、ありがとう……ございます」


「無理に立たないでください。先生を呼びましょう」


 周囲から安堵の息が漏れる。


 だが、俺たちの表情は重かった。


 試作聖具。

 聖属性魔道具研究室。

 低純度封印石片。


 完全に繋がった。


 ノエルがペンダントを布で包み、低い声で言う。


「これ、誰から渡されたの?」


 女子生徒は弱々しく答えた。


「ラゼル教授の研究室で……聖力が安定するからって」


 ラゼル教授。


 やはりそこだ。


 リリアの目が静かに細くなる。


 セリカさんも剣帯に手を置いた。


 俺の視界には、赤い表示が浮かんでいた。


ラゼル教授関連証拠:試作聖具

旧研究棟見学前トラブル:解決

次イベント:放課後、旧研究棟見学

注意:ラゼル教授が接触してきます


 来る。


 本人が。


 俺は食堂の入口へ視線を向けた。


 そこには、一人の細身の男性教師が立っていた。


 淡い茶髪。

 白い研究外套。

 穏やかそうな顔。


 だが、目だけが笑っていない。


ラゼル教授

役職:旧研究棟管理担当、聖属性魔道具研究室顧問

状態:警戒、焦り、隠蔽

備考:レンたちが試作聖具の欠陥を見抜いたことに危機感を抱いています


 ラゼル教授は、ゆっくりとこちらへ歩いてきた。


「それは、私の研究室の備品です」


 声は穏やかだった。


「勝手に触られると困りますね」


 食堂の空気が、また冷たくなる。


 俺は心の中で呟いた。


 昼休みくらい、普通に食事させてほしかった。

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