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第三章 共闘の始まり
それから僕たちは、密かに会うようになった。
庭園の片隅、図書館の奥、雨の夜の回廊。
「このお話のタイトルは、『王女の花冠』って言いうの」
テオドラが懐から薄いノートを取り出した。
そこには小説のシナリオの詳細が、びっしりと書き込まれている。
「私は、なぜか自分が書いた小説の悪役にされた。ヒロインのイザベラは私の理想のキャラだった。でも読者が選ぶのは常に“正義”だから……代わりに私が悪役にされた」
「つまり、僕たちの運命は作者じゃない別の誰かの都合で決まっている?」
「そう。そしてループする。何度死んでもまたここに生まれ変わる。私はもう……十七回目よ」
僕は衝撃を受けた。
十七回もこの運命を繰り返してきたのか。
「でも今回は違う。あなたが気づいてくれた。私たちならこの物語を壊せるかもしれない」
「どうやって?」
「小説の“システム”に干渉する。私はこの世界がプログラムだとわかっている。ならコードを書き換えることができるかもしれない」
「……つまり、神に挑むってことか?」
「そう。私たちが運命のハッカーになるの」




