第三百八十五章〜約束通り
書かせていただきます。いよいよ 現金の受け渡しです。その瞬間に終わると思いますが、果たして接触から何かを得られるのでしょうか?乞うご期待!
ハチ公像前に着いた翔子だったが、すぐにハチ公像の前に近付くことはしなかった。出来るのなら玲子と思われる人物を予め見ておきたかったし、彼女が翔子の姿を見つけられるかどうかで、彼女がどれだけ翔子の身近にいるか、確かめたいというのもあった。
今日の翔子は、サングラスをしていた。レイバンのアビエーターである。唇には濃いめの紅を引いていた。顔立ちは いつもとは、かなり違う雰囲気をなしていた。ハチ公前広場には、若い男女が多かったが、その中から40代〜50代を見つけ出すのはさほど難しくはなかった。
翔子の予想では、玲子は40代後半とみていた。声のトーンと、冷酷なくらい落ち着いた話しぶりからの予想だ。
約束の時間になっても、それらしい女はハチ公の周囲にはいなさそうであった。
向こうも同じことを考えてハチ公から離れて待っているのだろうか?翔子は段々苛立ってきた。
━━こちらはお金を払う側、いわばお客様よ。お客様を、待たせないで!
思った瞬間である。スマホの着信メロディーが 鳴り始めた。翔子はすぐに通話ボタンをタップした。
『もしもし』
玲子であった。
『変装でもしてるおつもり?わかっているのよ。丸わかりさ』
「え…」
翔子は少し悔しかった。それを隠すように 返した。
「あらそう。で、どうすれば?」
玲子は少し笑った。
『ヒカリエ、わかるでしょ?ヒカリエに向かって歩いて』
翔子は辺りを見回した。相手がどういうつもりなのか全くわからなかった。
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