第三百七十二章〜下北沢へ
書かせていただきます。いよいよ蘭馬は連れ込みホテルへと連れ込まれます。彼の運命は?そこまでも夏美は追ってくるのでしょうか?ものを警察に通報済みなのでしょうか?乞うご期待!
「下北や。下北沢に有名なホテルあるで」
彼は急に地が出たのか、関西弁で喋り始めた。
「千歳烏山近くにもあるけど、下北でええやろ?」
なかなか強引である。それでいい━━。
蘭馬は応えた。一晩でもホテルに隠れていられれば 今はいい。そんな思いがした。
━━明日は明日の風が吹く。明日は明日でまた考えよう━━。
そんな気持ちに切り替えた。
早く男の体にこの身を預けたかった。
蘭馬は、スマートフォンが振動しているのを感じた。だが今は出られない。もし夏美からの着信だったら耐えられないだろうから。
男は言った。
「いいんやろ?世田谷区内なんだから。望み通りでっしゃろ?」
そう言いながらタクシーを停めた。
♢
下北沢のラブホテルまでは20分と少し掛かった。なかなか味のあるホテルの外観であった。エントランスを入ってもまだ彼は蘭馬の腕を離そうとしなかった。独占欲が強いのか、かつて逃げられた経験でもあるのか?
部屋に着くまでに蘭馬は男の名前を訊いた。男は、加藤 茂樹だと答えた。本名かもしれないし、偽名かもしれない━━。
そう思った。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




