第三百六十七章〜逃避行
書かせていただきます 。おはようございます。遅くなってしまいました。お赦しください。蘭馬の本格的な逃避行がはじまります。彼の運命は?乞うご期待!
蘭馬は逃げ場を探していた。夏美と入れ替わり直すと約束したものの、それに耐えられるような気はしなかった。端的に言えば、元に戻るのは嫌なであった。
一条蘭馬として生きていたあの時代が不幸だったとかそんな思いはまるでない。が、今の心の底から溢れ出てくるような充実感とはまったく違い、なにか心の何処かに蟠りを抱えていたと思う。
またそんな時代に逆戻りなんて絶対に嫌だ。
蘭馬は、自分の心を納得させることは出来ないとわかっていた。
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気がつくと新宿歌舞伎町にいた。エルメスのケリーにヴィトンの財布を忍ばせ、他には最低限の化粧品やハンドクリームやルージュなどが入っているだけだった。
蘭馬は、何処かの広い海の上を独りで漂流しているような気分を味わっていた。
夏美からのメッセージの着信は数回あった。彼女も蘭馬の行動を信じていないのかもしれなかった。
蘭馬はそれを無視し続けた。取り敢えず、行けるところまで行きたかった。できるだけ遠くへ……。
TOHOシネマズの前を歩いた。周りは自分より若い 男女ばかりであった。それらの少年少女には興味はまるでなかった。
歩き疲れていたが、喫茶店に入ろうとも思わなかった。立ち止まれば夏美が追いかけてくるような気がしてならなかった。自分が何をしているのかわからなくなってきた。
公園に向かおうか?そう思った時である。
お読みになっていただきまして誠に有り難う御座いか。




