第三百六十一章〜鋭い息子
言わせていただきます。男の子 というのは鋭いものです。ある意味では女の子よりも。単純明快な考え方をするからてましょうか?翔子はそれを恐れます。お楽しみに
自宅に着くと、既に幸司は帰っていて、制服から私服に着替え、バッグを持ち、塾に行く準備を整えたようだった。合鍵は家族全員が持っているので、翔子が留守でも入室するのに不便はないのだ。
「ごめんね、こうちゃん。ママ遅くなっちゃったわ。お友達との会話が弾んじゃってね」
言い訳をした。すると、
「友達?誰?」
と不思議そうな顔をするのだ。彼女は仕方なく、
「いつもの、人よ」
と誤魔化した。ところが、
「いつものじゃ判らない。誰?」
と、さらに詰めてくるではないか。
「い……。いいから急ぎなさい。行くわよ。塾に遅刻しちゃうから」
すると、幸司は、
「言えない人なんだね」
と自分を納得させるかのような口調だった。
翔子は、またも心臓を高鳴らせた。━━もしかしたらこの子、全てを知っているのではないかしら?
翔子がパパ活まがいの事をしてお金を得ていることも。ある女から脅されていて、仕方なくお金を払うのだということも。今さっき男に抱かれて帰ってきたというのも。それともただの勘だったのか?だとしたら……。翔子は息子を畏怖するしかなかった。
━━シャワーも浴びたんだから 匂いでわかるはずはない。ホテルまで尾行されていたようなことはなかった筈だ。
━━やはり、気にしない方がいいのだろうか。そうかもしれない。やっぱり、翔子はただの楽観主義者のようだった。
お呼びになっていただきまして誠にありがとうございました。




