第二百八十一章〜白鳥夏美と牧島基
書かせていただきました。事件直後の蘭馬たちの行動と心理です、お楽しみいただけました 幸いです。よろしくお願い申し上げます
蘭馬は、白鳥夏美の自宅マンションに3泊してから、牧島基の住むアパートにまでやって来た。夏美の両親も住む自宅に3泊したというのは、カモフラージュの為だった。夏美の身には悪いことは何事も降り掛かっておらず、外泊こそ多いものの、無事であることを母親や父親、兄に伝えて安心させるという意味の。あと、いくら何でもそろそろまた大学キャンパスに顔を出さないと単位を落とすとか停学、休学扱いになってしまう恐れもあるのではないかと思ったこともある。
蘭馬は、夏美が大学で使っていた履修表やノート、テキスト、レジュメなどをやはり夏美のの物であるが、通学用のフェンディのクラッチバッグに詰め込んで持ち出した。今回ばかりは夏美には許可は取っていなかった。
『そろそろ入れ替わりを解消したいの。一度元に戻したい』
そんな風に相談を受けてしまったからである。
蘭馬はできることら、入れ替わりの解消はまどしたくないのであった。それだけ 今の体がしっくりくる というの と、男には戻りたくないという恐怖症のような症状とが相まっての結論に至るのであった。
さて、牧島基は、在宅であった。
「ちゃお」
と、部屋の中に入ると、基はセンターテーブルに突っ伏して爆睡しているところであった。テーブルには今朝の新聞が置かれていた。4月30日と書いてあるので、今日の朝刊のようだった。ふと目を遣ると、一面の見出しがデカデカと載っていた。それを目にして、蘭馬は驚いた。平井聡・殺人容疑!
そんな見出しだった。
「え!?」
蘭馬は思わず声を上げてしまった。同時のタイミングで基が跳び起きた。
「おお、君か」
辺りを見回してからそう呟いた。
「なんだ、で悪かったわね」
蘭馬は唇を尖らせた。
「それより、これだよ。読んでみ」
蘭馬は、ざっと記事を読み込んだ。事前に思っていた以上の驚きはあった。平井が殺人事件に関わった可能性が示唆されていた。その可能性はゼロではない……。蘭馬も思った。
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