第百六十一章〜吉祥寺の有賀 さち
書かせていただきました 今日は何だかペースの遅いような気がします。遅くなって申し訳ございません。いよいよ 取り調べによって謎が解明されていきます。私もお楽しみいただけましたのなら幸いです。
「……それは、」
三橋富江は言葉を絞り出そうとしてるように見えた。ここは話す 邪魔をしない方がいい、と花形は判断した。
「わたし、階段から落ちて頭を打ったので御座います。階段といっても十五段くらいある高めの階段の頂上からですよ。そして、ある人とぶつかり合い絡まり合うように下まで転がっていったのに御座います……。ここで神に誓いましょう。わたしは断じてその人を狙ってそんなことをした憶えはありません。どうか、それだけは信じてくださいませ」
「ええ。勿論、信じますとも」
花形巡査部長は言葉に力を込めた。
「それが……。その相手のひとが三橋富江さんなのでございます。名前は2人の話し合いによって交換することに決まったのでございます。だって…どう見てもわたしが三橋さんの身なりをしてましたし、三橋さんはわたしの姿をしていましたので仕方がなかったのでございます。そして、わたしの本名は、有賀さちと申します。吉祥寺駅の傍に住んでおります。独身で27歳でありました。今の見た目的には信じられないでしょうけど」
その時であった。先ほどの巡査が、照会を終えましたと再び部屋に入ってきた。
「ありがとう」
と言いながら花形がメモを読む。
「三橋富江。42歳。東京都八王子市在住。既婚で子どもが、男の子2人おります。専業主婦であり、最終学歴は高校卒。職歴は無さそうです。都立和泉高校卒業。以上の情報しか上がりませんでした。あ、あと現住所と…」
「もういい。ご苦労であった」
花形が遮った。
「有賀さんはそういった人物と身体を交換なさったという訳ですね」
「そうなんです。ただひたすらご本人やそのご主人、子供さん達に申し訳なくて……」
「大丈夫です。私たちは調査研究して必ず 元に戻して差し上げますので。力をお落としにならず我々を信じてください」
すると、ドアがノックされた。
「新宿署の森下警部補がお見えになりました。」
若い巡査らしい男が敬礼をした。
お呼びになっていただきまして誠にありがとうございました。




