第百十八章〜待つ
履かせていただきました。お時間かかってしまいました。いよいよ 一歩 二歩と彼は足を伸ばしていきます。相変わらず夏美の目は気になります。お楽しみいただけましたら幸いです。
蘭馬は、歌舞伎町をブラブラと歩き回った。すれ違う男達が皆、蘭馬の生足を舐め回すかのように盗み見て行くのが快感であった。優越感に浸れた。後は声をかけてきた男たちから報酬を得るという方法を身につけなければならない。そうでなければ、夏美の身体を返さなくてはならななるからだ。もう彼の中で 善悪の区別はなくなってきていた。たとえそれが犯罪行為だとしても、何だとも思っていなかった。
時刻は、18時24分。
そういえば夏美の家には、門限というような決まりはあるのであろうか?
今まで母親に訊いたこともなかったし、実際その門限らしき時間に抵触したこともまるでなかったのである。
ならばかなり遅めの門限であるのかもしれなかったが。
たとえ門限に少しばかり遅れたところで、いくらなんでもこの女の子を夜中に外で寂しい思いをさせるなんてこともあるまい。第一それは女の子にとっては非常に危険な行為だからな━━。
男から声をかけられる のを待った。1箇所で待てばいいようなものをわざわざ歩き回るのは、少しでも夏美からの監視の目から逃れたいと思うからこそであった。
ちゃんと お金稼げばいいんだろう?言ってあげたかった。
救急病院の赤いランプが見えた。大久保病院だろうと 目星をつけた。この辺りには、女に飢えた男たちがのしのしと歩いているかもしれなかった。裏手に回るとそこは、公園であった。蘭馬にも、それがどういう場所かというのは知っていた。しかし、そこで待ち人をするのはさすがに 犯罪に手を出しているという気になってしまうので勇気がなかった.別の場所にしよう。踵を返した。
その時だった。
「彼女、何してるの?」
背後から声をかけられたのを感じた。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




