第百十章〜謎の動き
間が空いてしまいました。書かせていただきました。いよいよ蘭馬は本格的に動き出します。謎の行動をする夏美の目もこわいのですが。彼は夏美から逃れる為にうごくのでしょうか?乞うご期待!
通話は途絶えたが、風が強い為に、周囲の音はあまり聞こえなかった。
通話の背景に夏美の居場所についての手掛かりになるような異音もなかった。ただ、風の音は確かに酷かったような気がする。
やはりこの辺りに居る、或いは居たのだろうか?
蘭馬はどうにも愕然としない思いにとらわれているのだった。
夏美が尾行て来ているとして、それは何の為に?彼女の言ってたように、蘭馬に体を売らせてお金を儲けさせ、それを上納金のように吸い取って儲けようとでも言うのだろうか?
いや。それにしたって蘭馬独りが稼げる額などたかが知れているのではないのか?第一それなら、入れ替わりなどしないで自分で自分の魅力を使って稼げばいいだろうに。
一体、どういうことなのだ?彼の脚はふわふわと空中を歩いているかのように心許ないのだった。ふわふわと歩いていたら、タクシー乗り場に辿り着いた。停車しているタクシーに近付くとドアが開いたので、雪崩込むように乗った。
「新宿駅東口までお願いします」
そう運転手に告げると静かに車は走り出した。そこで何をするという宛があるわけではなかった。ただ、渋谷は性に合わないというイメージしかなかった。渋谷よりは池袋の方がマシだったが、池袋よりは新宿の方が手っ取り早い気がした。
何に対して手っ取り早いのか、考えてみればよくわからないのだったが。
お読みになっていただきました 誠にありがとうございました。




