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……しかし、返ってきたのは意外なセリフだった。
「……不覚でした。私たちのパーティは、最難関と名高いダンジョンに潜って、見事に粉砕されてしまったのです」
アルナの悔しそうな顔に、場の温度は一瞬で下がった。
「私は後悔のあまり、天界を彷徨い続けました。あのとき、自分が矢を放っていれば……。何度もなんども、そう思いました」
米倉は目をパチパチさせている。こんな重たい話が飛び出すとは思っていなかった。
「その最中、私はあさひさんと出会ったのです。『新しい世界で、人助けをしてみませんか?』と言われ、迷わずこの世界に降り立ちました」
すっと顔を上げたアルナ。先ほどまでとは違い、実に晴ればれとした表情だ。
「今まで私は、自分のパーティのために戦ってきました。ですが今度は、様々な人の希望となるために、この力を使いたいと思います」
涙腺の弱い鷺宮は、思わずウルッとしてしまった。よく分からないが、アルナの強い思いだけは、痛いほど伝わってくる。
「アルナは真っ直ぐな心の持ち主です。私がスカウトした、頼れるアーチャーですよ」
犬掛はアルナの頭を優しく撫で、ニコニコと微笑んでいる。その表情は、偽りのない善意で溢れていた。
「お二方、どうぞよろしくお願いします」
「こ、こちらこそ!! よろしくお願いします!!」
差し出されたアルナの手。鷺宮はすぐに握り返し、大きくブンブンと振る。
「初仕事ですね、アルナ。頑張ってください」
「はい!」
気合十分のアルナを確認すると、犬掛はニッコリと微笑んだ。この世界で、人々の支えとなる。それが、『幽玄の巫女』の世界からやって来た、彼女の願いだった。




