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鷺宮たちも正座を組みなおし、改めて犬掛と向き合った。画面からそのまま出てきたような、端整な顔立ちの彼女。その容姿は、完全に日本人離れしていた。
「今回ここに来たのは、弓道部の助っ人を探していたからなんです」
「弓道ですか……」
犬掛は首を小さく動かしながら、少し考えるような動作をした。その横では、フェンリルが大きな口を開けてカップケーキにかぶりついている。
「私たちの部活、部員が四人しかいなくてさ。次の大会に出るために、あと一人、選手が必要なんだ」
米倉が言葉を続ける。せっかくの鷺宮のデビュー戦、出場させてあげたいという気持ちは、彼女も同じだった。
「つまり、弓矢を扱う人が必要……ということですね?」
「はい。……もしかして、何とかなっちゃったりしますか?」
鷺宮が顔を覗き込むと、犬掛はふっと明るく目を細めた。
「はい、何とかなりますよ。少々お待ちください」
そう言うと、彼女はパタパタと廊下を駆けていった。一体、何をしてくれるのだろうか……。
「お待たせしました」
数分後、犬掛が帰ってきた。その横には、大学生ぐらいの女性が並んでいる。茶色の瞳を持つ彼女は、金髪を下の方で結び、ゲームの世界でよく見る身軽な格好を身に纏っていた。
「初めまして。アーチャーのアルナです」
ペコリと頭を下げた彼女は、鷺宮たちの前で片膝をつく。まるで従者のような振る舞いに、二人は思わずどぎまぎした。
「弓矢を使う依頼と聞き、この場に参上いしました。アーチャー一筋十二年、腕前には自信があります。何なりと、お申しつけください」
「わわっ! そんな、かしこまらないでよー!」
米倉は慌ててアルナに顔を上げさせ、とりあえず正座をさせてみた。ピシッと座る彼女には、一寸のブレもない。
「アルナは元の世界で、一流の冒険者でした。きっと、ご期待に添えると思いますよ」
犬掛の言葉に、鷺宮は「は、はぁ……」と曖昧な返事をした。元の世界だとか冒険者だとか、よく考えなくてもおかしな話だ。
「『元の世界』ってことは、今流行りの異世界転生者……とか?」
「まさかねー」と言いたげな米倉。頬をポリポリと掻いて、密かに照れ隠す。




