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私は頑張るあなたの味方!  作者: #N/A
第二章 『若葉色の絆』
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第17話 今のままでは

 今のままではいけないことは理解していた。今のままではいけないということだけは確かに理解していた。


 しかしヒロはどうしたらいいものかと項垂れていた。


 今日は金曜日。土日の休みを挟み、週を跨げば残りの五日間で自チームの売上最下位を逃れなければならず、それが出来なければヒロは南端へ飛ばされ、チームメイトは皆散り散りになることを余儀なくされる。


 たった五日間でこの膨大な差を埋めるには、大型商談を成功させるしかない。葛西と奥山に協力してもらって資料集めは成功したが、ここからどう動くべきかに永久に頭を悩ませ続ける。


 終わることのない迷宮のごとし回転し続ける思考。どれだけ検索し続けても決してヒットすることのない、存在すらしない概念を必死になって探し続けるように。


「今日も早起きできて偉いね?」

「───」


 甘ったるい空気に満ちた寝室で、突然声が聞こえた。それが誰の声だったかまだ目覚め切っていない頭の中で検索をかけると、渚の声だった。渚がヒロの背中に覆いかぶさるようにゆっくりと抱きついていた。


 後ろから抱きついた渚はご満悦と言わんばかりに瞑目し、頬と頬を擦り合わせた。そして気が済むまでヒロの首筋と顎下の匂いを嗅ぎ、耳を唇で柔らかく噛む。


「ほあ」

「可愛い声じゃん」

「やめんかい」

「今日のヒロはいい匂いかも」

「そう?」


 渚は毎日いつもいい匂いだけどなとヒロは思った。


「だけどくすぐったいし、今日は明日以降の命運をかけた仕事が」

「やだ。ヒロとずっとこうしてる」


 背中にしがみついてくる渚の身体と、頬に当てられた渚の頬と柔らかい髪の毛を五分くらい感じていた。


 そしてぼーっとした後、ヒロは勢いよくベッドから立ち上がった。それによって寄りかかる場所を失った渚が「あー」と言ってベッド上で崩れ落ちるのを放置して、着替え始めたのだった。


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