↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は頑張るあなたの味方!  作者: #N/A
第二章 『若葉色の絆』
27/59

第5話 チョコ

 




 仕事帰り、疲れでフラフラになりながら寄ったコンビニの中で、ヒロは偶然にも鳴上と鉢合わせた。


 弁当を購入し、せっかくなので一緒に食べようという話になった。料金を若干多めに払い、食事が出来るスペースへ移動した。


「時枝殿、見ろッ!『ガリガリチョコ』が甘目まどかとコラボしたでござる。激レアを当てると、パンツがちらりと拝めるまどかの制服衣装激レア金ピカシールが手に入るでござるよ。ヌッフォ〜〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡ これは大人買い確定だッ!w」

「パンツが良いって俺あんま分かんないな」

「待て。───────冷静に考えよ」

「お前が冷静になれ。なんで意味深な間作ってんだよ」

「金ピカを10枚当てれば、実質まどかのパンティを10枚手に入れたことになる。それはつまり───まどかのパンティが10枚手に入ったということだ!w」

「わぁすごい!??」


 鳴上が大人買いした、山のような、では表現として足りないほどの数の『ガリガリチョコ』をひたすら開封し、シールを集めながら貪っていた。


 その横でヒロは、130円くらいのたぬきうどんを啜った。


 別に印象に残るほど美味い訳でもないのに、たまにこいつが無性に食いたくなるのは何故なのか。それも神の悪戯だというのか───そして、


「1枚も金ピカが出なかったでござる……」

「そんなに買ったのに!?」

「ちなみに金ピカの出現率は0.0000000001%でござるよ」

「低すぎるだろ。そりゃ出ないわ」

「だが、金ピカじゃなくてもまどかは可愛いのでござる」

「幸せで良いこった」



 ------------------------------



 ヒロは出張から戻ってきた葛木に管理室へ呼び出された。


 そして案の定、追加業務でこき使われることになったのだった。葛木の隣で緊張しながらキーボードを叩いていると、葛木が突然口を開いた。


「時枝。道端に動物が死んでてもなァ、そいつを可哀想とか思ったり、馬鹿にしたりすんなよ」

「はあ」

「動物の死体ってのは、人間の感情に『呼応』するようになってやがる」


 葛木は歯をカチカチと鳴らしながら、寒さをこらえるみたいにして腕を抱えて震えている。


「この間歩道でモグラが無様に死んでたから、蹴り飛ばして排水溝に落としてやったんだ」

「罰当たり過ぎるでしょそれは」

「そしたらよ、毎晩モグラの夢を見るようになった。一週間くらい、今でも続いてやがる。現実の不都合なら幾らでもコントロール出来たって、夢はどうしようもねぇよ」

「それはモグラの怨念ですよ間違いなく……」

「排水溝にモグラを蹴り入れてはいけないなんて、どこの国の古代の書物に書いてあるってんだよ」


 葛木はそう言うと寒さに震えるような仕草をしていたのを一瞬にして切り替えて、書類を何枚か持って立ち上がった。


「この間の商談、どうだったんだ?」

「ダメでした。聞き入れる姿勢すら無かったというか」

「それはお前の熱意が足りてねぇよ」


 熱意?


 あれは熱意の問題なのか?


「そりゃ押していけそうなら押すんですが。先日の商談の方は、そういう感じじゃなかったんですよ」

「いつもそんな感じだぞ、あいつは」

「そうなんですか?」

「確かに他者はコントロール出来ねえけど、その努力、働きかけてやることは出来る。思い通りにならないから諦めるってのは、誰のためにもならねぇぞ」

「………」

「押し付けがましかろうが、働きかけた結果そいつに新たな何かを見出させてやれるなら、それで良いじゃねぇか」


 葛木が書類を持って管理室を出ていくのを見送り、ヒロは先日の商談相手の連絡先電話番号を見つめた。


 だけどやっぱり、どうすればいいのかは分からないままだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。