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15話 拾った人形!

 街に帰ってきました!

 僕はすぐに宿屋に直行しました!

 え? なに? 報告? 知りませんよ!

 寝させてください!

 寝ます!

 

 おやすみなさい!


 バタンッ!


 扉が開いたよ

 

「マルクー! 特訓しようぜー!」


 エミリの乱入……


「……エミリはギルドに報告行かなくていいのかな? な?」


「ふっふっふっ! 私は元々メンバーではないから必要ないのだよ!」


 バタンッ!


 また扉が開いたよ……


「エミリさん! 探しましたよ! さぁ、ギルドに行きますよ! あ、マルクさんはゆっくり休んでいてください。さぁエミリさん!」


 受付の、えーっと……ミズナさんだっけ? がエミリを引っ張っていった。

 なんだろう、エミリってミズナさんに弱いのかな? 黙って連行されていったよ。

 まぁ、いいや。ひと眠りひと眠り……グゥゥゥ



 昼過ぎ


「んんん……よく寝たあああ」


 僕はベッドの上で軽く伸びをしてから、食事をもらいに行った。


 食後、部屋に戻ってきて思い出したことがある。

 そう、皮袋に入れた小さいゴーレムみたいなやつだ。

 あの時はじっくり見なかったけど、今ならじっくり見れる。

 袋から出したゴーレムの破片をテーブルに並べてみる。


「ばらばらだけど直るかな?」


 なんとなく直したい気になったんだよね。

 ゴーレムの姿をじっくりと見てみる。

 よく見ると顔なんて目を閉じた人の顔だよ……

 なんかかわいい顔してるな。

 体なんて……え? 女の子みたいな作りだよこれ!

 どういうこと! ダンジョンの趣味なの?

 

 ばらばらになってた部品をそれらしい場所に並べると……


「これ、かわいらしい人形だよね……女の子の」

 

 僕は悩んだ末、雑貨屋へ接着剤を買いに行くのだった。


「おばちゃん! 接着剤ください!」


「あいよ! どんなのが欲しいんだい? 色々あるよ?」


「がっつりくっつくやつがいいかな?」


「石でも岩でもくっつく、がんばるくんα! これ最強だよ!」


「それ、頂戴」


「ほれ、金50だよ」


 僕はお金を払って接着剤を買い、宿屋に戻った。


「さて、早速直してみますかね」


 僕は集中した。

 久しぶりにこういうのやるからワクワクするよ。


「えーとっ……このパーツがここで……こっちが、これか!」


 僕は楽しくなってのめり込んだ。


 外は薄暗くなり始めていた。


「できたあああああ!」


 完成したのは、本当にこれゴーレム?というくらい綺麗な女の子の人形だった。


「ひび割れとか目立たないし、関節も問題ないかな?」


 僕は色々動かしてみた。

 問題なさそうだね。

 

 バンッ!


 扉が開いた。


 僕は女の子の人形の足を持って、さかさまにしていた状態で扉の方を見た。


「今帰った……」


 エミリが僕と手に持っている物を見て固まった。


 どうしたのかな?


「マルクが変態になったあああああああ!!!!」


「ええええええ????」


「女の子の人形持ってにやにやしてるううううううう!!! いやああああああ!!!!」


「え? ちょ! 違う! 違うよこれは!!!!」


 僕は人形とエミリを交互に見ながら焦りまくるのだった。


 人形をテーブルに置き、エミリに説明をして落ち着いてもらった。


「ふぅ~ん……ダンジョンで拾った……ねぇ」

 

「そ、そうなんだよ!なんかさ、気になってね袋に詰めておいたんだよ」


「ふ~ん……」


 そういってエミリが人形に手を伸ばした時、


 パシッ!


 人形がエミリの手を弾いた。


「ん? 動いたよ?」


「動いたね」


 もう一度エミリが手を伸ばすと——


 ペンッ!


 また手を弾かれた。


「なんで!?」


「僕がやってみるよ」


 僕が手を伸ばすと、普通に持てた。


「なんでよ!」


 エミリが文句を言いだすと、人形がそっぽ向いた。


「!?」


 なんかエミリに変なスイッチが入ったような……


 ここからが大変だった。


 人形を掴もうとするエミリ、


 掴まれてたまるかと反撃する人形。


 果てしなく続く攻防に僕は、


「ご飯食べてくるね」


 食堂に向かった。


 

 食事を済ませ部屋に戻ると、疲れ切ったエミリが僕と入れ替わりで部屋を出ていく。


 そして一言


「……ご飯食べてくる」


 フラフラになりながら食堂へ向かうエミリ。


 部屋には勝ち誇った人形がいた。


「あのエミリに勝てるなんて、君凄いね」


 人形はムフンと言わんばかりに胸を張った。


「あれだね、名前無いと不便だよね?」


 と言ったら体全体を使って嬉しいという表現をした。

 しかし、この人形ゴーレムさ、凄い高性能なんじゃない?


 まぁ、いいか。


 僕は、この小さな女の子の名前を考えるのだった。


「人形・・・・・ゴーレム・・・・・女の子・・・・・ポチ」


 パシッ!


 叩かれた。


「ん-・・・・・タマ・・・・・ニャンコ」


 パシッ! パシッ!


 気に入らないらしい。


「なかなか難しいね」


「なら、かわいい人形だから、カレンなんてどうだろう?」


 両腕を上げて飛び跳ねている。気にいったのかな?


「なら君はカレンだ。いいかな?」


 カレンは小さな首をこくりと頷かせた。


 この日、エミリはこの部屋には来なかった。


 

 翌朝

 

 ドラボテ村へ行くまであと三日。


 今日はカレンの服を作ろうと思います。

 さすがに何も着ていないのは僕としてもいただけません。

 早速準備に取り掛かろう。


 僕はこう見えても裁縫は得意なんだよ?

 小さいころから自分の服の修繕とかしてたからね!


 まずはカレンに似合いそうな絵を書いてみる。

 カレンは見えているのか分からないけど眺めている。


 子供系、ダメらしい。

 可愛い系、嬉しいらしい。

 戦闘系、格闘できるみたい。

 カッコいい系、嫌いらしい。

 お嬢様系、そっぽ向いた。

 

 可愛い服と戦闘服を作ることにした。


 あと髪の毛つけようかな。


 体は完全に女の子だし、頭つるつるだもんね。


 僕はカレンを連れて古着屋へと出かけた。


 古着屋でまずは、髪の毛の材料を選ぶ。

 この子には何色が似合うかな。

 

 カレンに聞いてみた。


「髪の毛は何色がいい?」


 カレンは緑色を選んだ。


「まずはこれね」


 次は服の材料だね。

 カレンと色々話しながら材料を選んだ。

 会計をしてお店を出るとき、後からひそひそと話し声が聞こえた。


「今の人やばいわよ」

「ええ、見ました。人形と話をしているの」

「ああいう人が犯罪を起こすのよね」

「いやあねええ」

「本当にねえ」


 誤解です! 違います! ある意味あってるけど! 違います!


 僕は泣いて宿屋まで走って帰ってきた。

 

 部屋に戻るとエミリが居た。


「エミリどうしたの?」


「マルク、黙っていなくなってるんだもん」


 ほっぺを膨らませてこちらを見ている。


「ごめんごめん、ちょっと古着屋まで行ってきたんだ」


「なんで?なんで私置いてくの?」


「カレンの服を作るための材料を買ってきただけなんだよ。あと、ごめんって」


「ぶー!」


「よかったらエミリも一緒にやる?」


「んー……見てるよ」


「そうか、カレン始めるよ」


 カレンがテーブルの上をちょこちょこ歩いてくる。


「まずは髪型からかな」


 僕はてきぱきと作業を進めていく。


 エミリは……ベッドで眠りについたようだ。


 髪の毛は、女性らしさを出す為に腰までの長さにして、動きやすいように一本の三つ編みにする。


 服は戦闘服からだ。

 動きやすさ重視の戦闘服を作る。

 関節を隠して、軽くて丈夫な作りにした。


 次は可愛い系だね。

 まずは大きめの帽子に、少しおしゃれなドレスっぽいので、スカートは長めがいいかな。

 少しリボンをおしゃれに決めて、この服に合う靴を作って完成だ!


 時間は夕方になっていた。


 カレンは可愛い服を着て、くるくる回っている。


「ん……んん!」


 エミリが目を覚ましたようだね。


「エミリ見て、カレンの姿を」


「ん?……あ、可愛いね!」


 エミリが手を出したら


 パシッ!


 手を弾いた。


「なんでよ!」


 少し涙目のエミリ。


「カレンも、エミリに当たりが強いね」


 首を横に向けて拒否を示している。


「エミリ……カレンに何かしたの?」


「してない!」


 じゃ、なんでだろうね?


 わからないし、あとの事はあとにしよう。


「よし! ご飯食べに行こう。エミリ行こう」


「う~・・・・行く」


 部屋に取り残されたカレンは、


 わずかに瞼を開け、


 赤黒い光を、静かに放っていた……。

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