23.南沙諸島問題、西沙諸島問題
南沙諸島は、中国と台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張している4つの島と100の島等から構成される地域です。位置的には、領有権を主張している国々の真ん中あたりにある海域です。
西沙諸島は、中国とベトナムが領有権を主張している地域で南沙諸島の上にある海域です。
まず、南沙諸島も西沙諸島も中国が一部、実効支配をしています。南沙諸島は、石油や天然ガス等の海洋資源が豊富にあります。そして、周辺地域の漁業権と排他的経済水域を拡大するために6カ国が領有権を主張しています。ちなみに、この海域が中国領になるとベトナム、マレーシア、フィリピンの領海がほとんどなくなります。南シナ海の海上の要所であるこの海域は、1988年に南沙諸島に進出してきた中国海軍とベトナム海軍の交戦により、ベトナム側が80名の死傷者を出し撤退します。
西沙諸島は、1974年に旧南ベトナムが中国と交戦した時期に中国の実効支配化に置かれています。1974年は、中国とアメリカが国交樹立の交渉をはじめアメリカ軍がベトナム戦争から撤退する時期です。そして、アメリカと中国が手を組んだことから、ベトナムは中国と距離を置き、ソ連に接近します。
南沙諸島には、中国軍が実効支配を主張するために建設したプレハブ小屋があります。南沙諸島にはマレーシアやフィリピンが軍事演習を行い中国の侵略を防いでいます。しかし、尖閣諸島問題で日本の海上自衛隊とは交戦しない中国も、なぜか、南沙諸島には海軍を派遣します。
この理由は、ベトナムやフィリピン、マレーシアの海軍力では中国軍に太刀打ちできないからです。尖閣諸島に中国が漁業監視船しか派遣してこない理由は、勝ち負けを抜きにして、軍事的な意味でも経済的な意味でも、日本と争った場合に中国が受けるダメージが大きいからでしょう。南沙諸島問題は、現在、単独で中国と対抗できる国が存在しないため、ASEANグループ全体として中国に対抗しようとしています。2002年には、ASEANが「南シナ海の係争」に関する平和的解決に向けた行動宣言(後に、具体性のある行動規範に格上げ)を発表しました。
しかし、中国はASEAN全体ではなく、個別の国との話し合いにより自国優位に南沙諸島問題を解決しようとしています。




