20.中国のチベット独立、ウイグル問題
中国の少数民族問題を見てみましょう。中国の少数民族問題とは、一言で書くと、「中国共産党によるチベットやウイグル等の侵略と少数民族弾圧」です。中国には5つの自治区、30の自治州、120県の自治権があります。こうした自治区、自治州、自治県には名目上の自治とは裏腹に、チベット仏教やイスラム教、総計1億人を超える55の少数民族が中国共産党の監視下に置かれています。こうした自治地域の総面積は中国全土で6割を超えるため、漢民族が支配する中国共産党政権下においても重要な位置を占めています。漢民族は現在、中国人口の9割以上を占めています。しかし、モンゴル帝国や清王朝等、漢民族以外の少数民族が王朝を担当していた時期も長いため、漢民族が少数民族を警戒している可能性も否定できません。
漢民族は、劉邦の漢帝国を起源としますが、始皇帝が中国を統一するまで、統一中国という概念は中国には存在しませんでした。牛耳るという言葉の語源は、中国にいくつかある国の中で軍事大国が覇者として他国を守るかわりに他国から貢物を要求する権利をもっていた時代に、覇者が牛の耳を切ってその血で他国と覇者の契約を結んだことから、牛耳るという言葉になったのです。
始皇帝後の劉邦と項羽の争いでも、楚の項羽、楚人という概念が出てきます。秦による統一王朝と漢による中国統一以前は、日本の戦国時代のように中国内で無数の国が争っており、地域ごとに言葉や文化、風俗の違いも大きかったのです。
ですから、漢民族という概念は、始皇帝、漢帝国以降に、文字や風習の統一が支配地域で行われていくことによって、似たような文化の集団ができたことに由来します。ですから、DNA的に漢民族が同じ民族ということではありません。中国という国家を長年形成していた民族集団を漢民族と呼んでいるだけです。漢民族は、DNAも異なる多民族集団です。
もともと、中国大陸には多くの文化と民族、国があったのです。そして、20世紀までは王朝交代や支配民族の交代も行われてきました。




