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19.中台関係から見える世界の縮図 

 まず、台湾と日本の武器輸入額は同じくらいです。アメリカの主要産業の1つは武器輸出です。軍事産業については後述します。


 中台関係を観察すると、敵味方が入れ替わっているということです。これは、職場でも同じことが言えるかもしれません。国際情勢は、1カ国対1カ国の関係ではなく、世界規模で動いているということです。ですから、同時に何が起こっているかを見れば、国際情勢は簡単に理解できます。中国と台湾だけの関係を見ていると、なぜ、アメリカがいきなり台湾を切り捨て、中国と国交樹立をしたのかわかりづらいと思います。中国はソ連との対立、アメリカはベトナム戦争の終結のために中国に近づいたのです。つまり、「外交は奇麗事やイデオロギーではなく、利害の一致(国のエゴ)」で行われることが大半です。


 例えば、台湾そのものは、中国共産党に壊滅されるところを冷戦の勃発でアメリカの庇護下に入ります。しかし、アメリカがベトナム戦争に軍事介入したものの、アメリカ国内の激しいベトナム戦争反対デモによりアメリカ政府がベトナムへの軍事介入を断念します。世論の勝利でしょう。次に、ベトナム戦争から撤退するためにベトナムを支援していた中国にアメリカが急接近します。アメリカの外交政策の特徴として、国内世論に左右されやすいという傾向が強くあります。ですから、反共産主義の砦であった台湾政府を切り捨て、中国と国交を樹立します。アメリカが台湾を切り捨てたため、日本も中国と国交を樹立することになります。逆に、中国は、ソ連やベトナムと仲違いをはじめます。

国際社会は、敵になったり、味方になったりめまぐるしく外交関係が変わりうるということです。ある国、この場合は中国とアメリカが接近したことで、友好関係にあったベトナムと中国が険悪な関係になり1979年には軍事衝突を起します。


 国際情勢は、人間関係によく似ていると思います。アメリカ、ソ連、中国、ベトナム、朝鮮半島、日本、台湾政府を中心としたマクロ・レベルの人間関係が中台関係という、「今」の国際情勢となっているのです。


 ですから、この中台関係の歴史だけでも、「人間関係や組織の観察」のケース・スタディーになると思います。また、アメリカは、台湾との国交断絶後も武器輸出や軍事介入で台湾を保護しています。そして、日本と台湾は国交はありませんが主要な貿易相手国です。また、中国と台湾も政治的には険悪な関係でも経済的には相互に依存しているということです。ビジネスで相互依存関係にあるため、ミサイルを発射する仲でも、台湾と本格的な紛争をすると中国もダメージを受けるのです。

あまりいい表現ではありませんが、「利益になる人間関係は壊しづらい」のです。言い換えれば、外交は奇麗事ではないということです。EUもお金の結びつきです。

これは、他の国際紛争にも言えることですが、「ビジネスとイデオロギーなら、ビジネスを国家は優先するのです。」


 ただし、アルカイダやイスラム教過激派のように宗教問題は、ビジネスをぶち壊します。ただ、イスラム教圏も非イスラム国である日本や欧米と輸出入を行っていますから、「経済的な結びつきが深まれば、イデオロギー的な対立が難しくなる」といえるかもしれません。



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