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15.アラブの春は、エネルギー問題に直結する。

 アラブの春は、2010年12月、北アフリカのイスラム教国であるチュニジアの失業中の若者が政府に抗議して焼身自殺したことがきっかけで起こりました。チュニジアでは、食料品や物価の高騰、インフレにより国民生活が苦しい状態が続いていました。チュニジアに限らず、中東の多くの独裁国家では秘密警察による言論統制が行われていました。しかし、インターネットの発達、また、フェイスブック等のSNSやツイッターの世界的な普及で不満を持った国民の怒りが結集可能になりました。チュニジアでは23年間、ベン・アリ大統領が独裁を続けていましたが、2012年12月、ネットで全国に広まった反政府デモにより全国で反政府活動が起こり、1ヵ月後、大統領が亡命し政権崩壊、ジャスミン革命が成功します。


 チュニジアの動きは中東全土に飛び火し、2011年2月にはヨルダンのサミール・リファーイ内閣が辞職、リビアでは42年間続いた反米のカダフィ大佐による退陣要求デモが全土で起こり、NATOが軍事介入し、カダフィ大佐が死亡し政権が崩壊しました。

 

 エジプトでは、30年間続いたムバラク大統領の退陣要求デモが発生、ムバラク大統領が失脚します。

 一方でサウジアラビアやバーレーン等の裕福な産油国は、バラマキや女性参政権の導入で反政府デモを、とりあえず収束させました。


 では、アラブの春が私たちの生活にどのような影響を与えたのでしょうか?

1つは、反格差デモのように先進国にも飛び火したことです。もう1つは、アラブは石油産出国です。石油等のエネルギー問題が起こってきます。そして、イスラエルとアメリカとの中東・アラブ諸国の対立が続いています。もともと、アメリカが親イスラエルだった理由は、潤沢な資金を使ったアメリカ国籍のあるユダヤ人がアメリカの政財界で大きな発言力を持っていたからです。しかし、イスラム教系移民の増加でアメリカ政府もイスラム教移民に配慮する必要がでてきたため、一方的にイスラエルに加担することが難しくなりました。


 さらに、アラブの春後に行われた選挙では、各国でイスラム教系の穏健政党が政権を取っています。エジプト等は親米国家でした。中東におけるアメリカのパワーバランスが変わる可能性があります。中東で独裁が続いた背景には、アメリカやロシアが、お互いの勢力を誇示するために、今回、妥当された独裁政権を支持してきたという背景もあります。アメリカ、ロシア等の大国の影響力が低下し、イスラム教系勢力がアラブの春を起した国で台頭してきています。


 2012年9月、アメリカでイスラム教の創始者ムハンマドを侮蔑する短編映画が製作されたことで、中東やインドネシア等のアジアのイスラム教圏にも大規模な反米デモが飛び火しました。

こうした中東等での動きを受け、米軍の世界規模の編成が行われれば、日本には在日米軍基地がありますから大きく関係してきます。一番、大きな影響は日本の安全保障は日米安保条約に依存しているため、米軍の戦略見直しが日本の防衛戦略の見直しにつながるという事です。オスプレイの配備問題等も米軍の世界規模の戦略見直しと密接に関わってきます。

鳩山由紀夫元首相が、当時のオバマ大統領に「ルーピー」(間抜け)と評されました。いろいろな解釈があるでしょうが、鳩山元首相は沖縄の在日米軍の移転を検討していました。 

アメリカは、日本だけではなく、世界規模で基地や米軍を動かしていますから、善悪を抜きにして事実上、世界の警察です。米国大統領は、「日本の都合で、米軍の世界規模の米軍配置を見直せると考えているのか、ルーピー。」といいたかったのではないでしょうか?


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