9.民族浄化の問題で紛争が起こる
次回更新は5月5日火曜日の予定です。
もう1つ民族問題も紛争の原因です。
アフリカのルワンダのフツ族によるツチ族の大虐殺(映画『ホテル・ルワンダ』)のように、民族問題です。
フツ族とツチ族は、ルワンダを植民地にしていたベルギーが便宜的にツチ族とフツ族にわけただけで民族的な違いはありません。
ベルギーは、ツチ族に区分された人達を優遇して植民地支配に協力させ、大多数をフツ族に分類してツチ族にフツ族を管理させました。ここに遺恨が生じます。
ツチ族とフツ族の民族の区分わけに、科学的な根拠はありません。
ベルギーの植民地政府が勝手にフツ族とツチ族に分類したのです。
割合的には、支配階級としたツチ族が1割、支配される側のフツ族が9割の比率です。
ツチ族もフツ族も同じ人種ですから、民族紛争ではありません。
しかし、身分証にフツ族、ツチ族と明記させたことから話がややこしくなります。
1973年以来20年以上に渡り、無理やり部族融和をはかってきた多数派のフツ族のハビヤリマナ大統領が1994年に飛行機ごと迎撃されたことをきっかけに、1990年にはじまったツチ族によるルワンダ愛国戦線とルワンダ政府との内戦が激化します。
そして、1994年4月~7月の間にフツ族の過激派によるツチ族とツチ族虐殺に反対したフツ族穏健派の50万~100万人以上の大量虐殺が行われました。
ルワンダ大虐殺では、後述するユーゴスラビア問題と同じ構図が当てはまると思います。
旧ユーゴスラビアは5つの民族、4つの言語、3つの宗教を抱える紛争の火種のような国でした。
独裁者のヨシップ・チトー大統領による社会主義国として、緩やかな独裁国家としてユーゴスラビアは存在していました。
チトー大統領の死後、民族と宗教ごとの独立を求めるユーゴスラビア内戦が10年間続きます。セルビアやマケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ等に分離独立して、旧ユーゴスラビアは解体されました。
ルワンダの大虐殺やユーゴスラビア内戦は、虐殺や民族浄化のような事象だけがクローズアップされます。
ルワンダでは、ハビヤリマナ大統領が20年以上、フツ族とツチ族の対立を無理やり抑えこんでいます。
ユーゴスラビアでもチトー大統領が40年近く民族、宗教対立を抑えこんでいたのです。ここに国際情勢を学ぶ意義があると思います。
チトー大統領の独裁は、「民族主義者の粛清」です。民族主義が台頭すれば、国が割れることを理解していたので、民族主義者を秘密警察が葬っていたのです・・・。
国の成功・失敗を具体的に分析することに意義があると思うのです。
5月5日火曜日更新
10.リンカーンは奴隷解放に消極的だった
企業の経営で戦争は起こりませんが、国レベルなら戦争や虐殺が起こります。
カリスマ性のある指導者はワンマンです。だいたいワンマンです。
ワンマンのトップは嫌われます。
ワンマンゆえに市民や国民の不満を押さえ込んでいる可能性があります。
けれど、「船頭多くして、船山登る」という諺があります。
ワンマンのリーダーがいなくなると、組織の統制が取れなくなることが多いのです。
そういうことを国際情勢のケース・スタディーから、あなたの職場やご家庭に具体的に当てはめて活用していただければと思います。
マクロ的な視点からは、利用者目線、市民目線、国民目線を無視しないといけないこともあるのです。
「市民目線、国民目線」は、非常に耳障りがいい言葉です。しかし、これは丸投げです。丸投げしたら、内戦をはじめる国があるのです。




